遺伝物質であるデオキシリボ核酸すなわちＤＮＡとは、４つの塩基とデオキシリボースと呼ばれている糖とリン酸からできている分子である。ＤＮＡは４つの元素、原子番号１：Ｈ水素、６：Ｃ炭素、７：Ｎ窒素、８：Ｏ酸素と、同じく原子番号１５：Ｐリンのわずか５つの元素からなっている。また４つの塩基とは、Ａアデニン、Ｔチミン、Ｇグアニン、Ｃシトシンである。またこのＤＮＡの遺伝情報をタンパク質に写し取る上で重要な役割をするＲＮＡ、すなわちＴチミンの代わりにＵウラシルという塩基が存在している。

　ＤＮＡの４つの塩基から３つを取り出して、６４種の順列・組み合わせのから遺伝情報コドンを形成していることや、それがタンパク質を構成している２０種のアミノ酸形成の指令になっていることなどは置いておくとしても、ここにも４つの元素Ｈ・Ｃ・Ｎ・ＯとＰという４＋１イコール５で１つであることや、４つの塩基Ａ・Ｔ・Ｇ・Ｃと１つの塩基Ｕという５＝１の構造が見られる。さらにこのＤＮＡは本来３次元的構造をしているのだが、それらがさらに空間的によじれ重なり合って存在している。そのよじれたかたまりの次元がまたさらに１つ上の階型でよじれるということを５回繰り返すことにより、染色体の大きさおよび次元になっているのである。

　ところで神聖幾何学フラワーオブライフのワークショップをしていたデュランバロウ・メルキーザディックは、地球の人間の意識進化には５つの段階があり、それに対応した５種類の存在レベルがあると語っている。私は彼の言明をそのまま信じているわけではないが、数的にその表現が面白いので紹介しておこう。彼は染色体の数と身長を対応させて話している。まず最初に我々の１つ前の存在態はその染色体の数が４２＋２であり、身長は１３５〜１６５ｃｍであった。オーストラリアのアボリジニやアフリカの一部の部族がそれらの存在に相当しているという。また４４＋２が現在の人間であり、身長は１５０〜２１０ｃｍである（※）。

　彼の言葉によると私たちは現在、染色体の数が４６＋２であり身長が３〜４．８ｍのキリスト意識の人間存在への移行を目指しているということになる。もちろんこのキリスト意識という表現は西洋的表現であり、宗教としての現在のキリスト教とはさしたる関係はない。ダウン症の人間はその指示を一部分だけ受けたが、左側が損傷しているので次のレベルに行っておらず、その染色体数は４５＋１である。彼らは純粋な愛のかたまりだがもう一歩が踏み出せないでいるらしい。そしてその次が４８＋２であり、身長は９〜１０．５ｍの存在である。そして最後が５０＋２の完璧な人間であり、青い肌を持つ身長１６．５ｍの存在でメタトロンとも言われている。

　この最後の５２という染色体数と、１年５２週（１３×２８）というさらなる数的対応も興味深い。ＺＯＮＥ−６のイントロダクションで、宇宙人がピアノの５２白鍵を地球の１年の５２週に対応させ、ピアノ・フォルテとそのベースになっている平均律を人間の精神構造の表われであると考えたとＳＦ的に表現したが、このデュランバロウの文脈に則って表現するならば、この染色体数５２のメタトロンという至高の超越天使になるために未来に進もうとするのではなく、根本的発想としてそれすらも超えて行こうとする意識と姿勢が必要なのである。

（※）ただしここで表現しようとしているのは、現在の科学的な遺伝子の数というよりは、何か象徴的な数と解釈した方がいいだろう。アボリジニやアフリカの一部の部族の染色体数が４４であるということが、彼らが劣っているとか１つ前の人間であるなどという類のことを言わんとしているのではないことは明白である。例えばゴリラやチンパンジーの染色体数は４８である。この文脈を実際の染色体数がただ増えていくことが進化であると解する者は、ゴリラやチンパンジーになるという意味にとるだろう。