#064 色の視認性と誘目性

■１■「色の視認性」とは<意識しているときの対象の見つけやすさ>ということだ。寒色系よりも暖色系の方が離れた距離からでも認識しやすいので視認性が高い。ただし薄暗い時は■黄色や■オレンジ色が良く見え、明るい時は■紫色がよく見える。すなわち日中と日が沈んだ夜では視認性の高い色は異なる。

■２■また明度差や色相差などが対比関係にあるような色同士の組み合わせが最も視認性が高い。例えば<■黄色と■黒><■赤と□白>のような組み合わせだ。さらに視認性は周囲の色との関係、つまり地(背景)と図(対象)の明度差が大きいほど上がる。逆に類似色相で明暗差がない色の組み合わせは見えにくい。

左から誘目性の高い順になっている

■３■一方｢色の誘目性｣とは<意識していないときの意識されやすさ>ということだ。特に見つけようとしていない対象がどれだけ注目を惹きつけるかということである。色には心理的に働き、人の行動を喚起したり誘導する力があり、私たちは注意･警告･危険を感じる色に、興奮を覚えアドレナリンが分泌する。

■４■誘目性の高い色には目線を誘導され目を引かれる。明度が高い膨張色は低い色より同じ面積でも大きく見えるので目につきやすい。誘目性の高い色は有彩色で暖色、そして彩度や明度が高い色である。一般に寒色の■青・■紫や中間色の■緑より、暖色の■赤・■黄・■オレンジが誘目性の高い色である。

■５■遠くにあるものが近づいてくる時、その対象物は存在､色､形､素材の順番に認識されていく。誘目性も地と図の色の関係が重要になるが、一般的に高彩度色を用いることで誘目性は高くなる。また暖色系と寒色系では暖色系の方が目につく。特に黒地に黄、白地に赤の誘目性が最も高い組み合わせとされる。

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(※) 画像<1><2>「画材マニアのアート・ラボ」、<3>「KICTEC」　より借用・加工。

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