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■１■補色同士を掛け合わせても、単色とそれ以外の全ての色を合わせても、３原色を混合しても、またただ単に全ての色を重ねても、理論的には色光の場合は白色(無色透明)になり、色材の場合は黒色(反射なき漆黒)になる。もちろんそれは人間の理想的な理論であり、それを完全に実現することはできない。

■２■それは光を全て吸収してしまい反射光がないので見えない｢黒｣、あるいは光を全て反射するので光が見えない｢白｣ということだ。単に光の不在による不可視か、光の遍在による分別不可だが、どちらも可視光帯域領域での話だ。しかし赤外線以遠の｢黒｣と紫外線以遠の｢白｣の不可視はまた別の領域である。

AIに描かせた背景作画のドローイング

■３■見るものは見るもの自体を直接見ることができない。しかしそれを見て取るために、様々に異なるものの見方や個体間の差異を通してこそ、その差異の総体的構造を介して相同を捉え見る共通基盤ができるのではないか。言葉や数や発想の差異を知りつつ敢えて同じように扱いあうことで見えて来る何か。

■４■色の原点となる黒と白を２元色と捉え、玄を始元色として扱うか、「数は３から始まる」というもの言いのように色は３原色から始まると捉え、それ以前の白と黒を明度あるいは未だ色彩不在の明暗の極みとするか。その大いなる差異を否定せず認め、ここでは｢色｣を捉え見ていこうとしているのである。

■５■仏教では分別相対化の現象を｢色｣と表し｢色即是空、空即是色｣の色は｢仮象｣と見なす。ニュートン光学の｢白色光｣は全ての波長の可視光線を均等に含み分解できる仮想の光である｡また物理学の｢黒体｣はあらゆる波長の光(色)を吸収し、熱放射できる理想的な仮想物体である。メタファーの差異を超えて行く。
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(※) 「pxfuel」、「note abubu nounanka」、「pxfuel」　より借用・加工。

on 20240404 Thursday