sound076

「Pioneer」　より借用・加工

■１■木管楽器は奏者の唇の振動によらない方法で発音する管楽器の総称だった。金管楽器ではバルブ機構やスライド機構で管長を変えたが、木管楽器は主として、管に開けた側孔を開閉することによって共鳴管の音響学的な長さを変化させている。邦楽・民族音楽・西洋の古楽ではこの｢音孔｣を｢指穴｣｣と呼ぶ。

■２■木管楽器は音の出し方で３つに分類される｡(1)１枚のリードを振動させて音を出すシングルリード､(2)リードを２枚重ねたものを使って音を出すダブルリード､(3)リードを使わず空気を絞り楽器のエッジに当てて音を出すエアリードだ。(3)は空気の通り道の有無で２分され、無いものは唇をリードにする。

「PIXABOY」　より借用・加工

■３■リードは葦を薄く削って作ったものが主流だが、プラスチック製や樹脂製のものもある。シングルリードよりダブルリードの方が高額であり、寿命も少し長い。シングルリードの木管楽器には、クラリネットとサックスの仲間がある。またダブルリードの木管楽器には、オーボエやファゴットの仲間ある。

■４■エアリードの木管楽器はさらに２種類に分けられる。空気の通り道(ウィンドウェイ)がある楽器は、息を入れるだけで簡単に音を出せる。ない楽器は音を出すのが難しいが、音量･音色･音高･音域の幅が広く、個性豊かな表現が可能だ。金管楽器より自由度は低いが、唇や息で音高を変えることが可能である。

「島村楽器」　より借用・加工

■５■フルート属はエアリードで音を出す木管楽器に分類される。柔らかい音色と豊かな表現力が可能で、アルトフルートやバスフルートなど様々な種類が存在する。ピッコロはフルートと同じ指使いでちょうど１オクターヴ高い音が出る移高楽器だ。高くよく通る音でオーケストラのスコアでは最高音を出す｡

■６■リコーダー属もエアリード式で縦笛の木管楽器だ。ウインドウェイによりエアビームが一定に保たれ、構造がシンプルなので息を吹き込むだけで容易に音を出せる。しかし音高の変動補正など高い演奏技能の修得には才能と努力が必要となる。音域ごとに異なる種類があり、大きくなるほど低音域になる。

「山本竹細工屋尺八」及び「デジマートネット」　より借用・加工

■７■日本の木管楽器である尺八は、ウインドウェイのないエアリード楽器に分類される。名称は十二律に合わせた縦笛を作った際、中国の標準音の黄鐘の音を出すものが一尺八寸であったためである。一般的に手孔は前面に４つ、背面に１つある。音域は２オクターブ強、倍音を用いて３オクターブ目を出す。

■８■クラリネット属はシングルリードの木管楽器で、音域は約４オクターヴ弱である。本体は大きくマウスピース､バレル､管体､ベルと４つに分割することができる。ソプラノクラリネットやバスクラリネットなど同属楽器が多い。ジャズや現代音楽には重音奏法やヴィブラート奏法など様々な特殊奏法がある

「プリ画像」　より借用・加工

■９■サクソフォーン属もシングルリードの木管楽器で、木管楽器と金管楽器の橋渡しを目的に開発された比較的新しい楽器だ。奏者はキイを押すことで孔を塞ぐあるいは開放する。ソプラノサックス､アルトサックス､テナーサックス､バリトンサックスなど同属楽器も多く、サクソフォーン四重奏も存在する。

■10■オーボエ属はダブルリードで音を出す円錐管の木管楽器だ。オクターヴキーの機構によってセミオートマチックとフルオートマチックがある。キーにはオープン式とカバー式とがあり、現在はカバー式が多い。楽器は、上管･下管･ベルといった部分から成り、上管の最上部にはリードの差し込み口がある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「作曲図書室」　より借用・加工

■11■ファゴット属もダブルリードの木管楽器である。低音から中音部を担当し、低音域の立ち上がりが速く、歯切れのよい持続音を出せる。演奏時にはストラップを用い、楽器を斜めに構えて吹く。その独特の音色､幅広い音域､多彩な個性､俊敏さで知られている。ビュッフェ式とヘッケル式の２形式がある。

rewitten on 20240326 Tuesday