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■１■目が覚めて時計を見る。５時。うわ､珍しく寝坊かよ。寝る前に22:30からの｢FIFA U-17ワールドカップ 2025｣の中継を見たからか。Ｊスポーツで中継してくれているからな。日本vs南アフリカの結果は３－０で無難に勝利。興奮してちょっと寝付けなかったしなあ。いや急げよ未明歩行。今日は鬼門だろ。

■２■そうなのだ、今日はずっと後回しにしていた天白区の山手植田線台１号という峠越えなのだ。車道とはいえ、病院・霊園斎場・霊園墓地付近で人家なしの、ビビリにはハードル高すぎのルート。今回は初めて愚妻が知人の蔵出しに使ったというウォーキング用のヘッドライトを持参だ。街中の試使用ＯＫ。

■３■基本的に｢恐い｣と｢怖い｣は同じ意味だが、前者は客観的に対象の危険性を表す時に用い、後者はより主観的な恐怖感を表す。恐怖の対象が主観的か客観的かである…って、本当にビビっている時はそんな区別する暇ないよ。隼人町まで昨日と同じ道だけど、南山校前の謎猫がいるかと思ったがいなかった。

■４■左折して杁中横の坂道をずっと直進すると八事日赤に出る。大きな第二赤十字病院を迂回して昭和区と天白区の境に辿り着いたら、問題の山越えルートだ。…ってあれ、もう東の空がかなり明けてきている。おっといきなり右手に八事霊園の北端が見える。これは真っ暗の時見たらかなりビビったはずだ。

■５■上り坂の車道横の歩道を進む。両側のシルエットに挟まった行く手の空が明るくなっているので全然怖くはない。少しずつ明るくなって来るに従って、視界に色合が立ち上がってくる。光学的物理や色彩学的認識の知識は少しはあるつもりだが、生命的には内外を超えた自らの内部から世界が蘇ってくる。

■６■左右に迫る山並みは深夜に見たらさぞビビるだろうが、今はその紅葉の色具合に驚かされる。峠を越えると遠くに街並みの明りが見える。辺りが真っ暗だったら希望の光だったろう。落ち葉の色合いなどを楽しみながら長い坂を下り切ったら市街地だ。ここまで7000歩で、植田川の新一本松橋に突き当る。

■７■超早足での暗い夜道の峠越えだったら、このまま真直ぐ国道153号線を突き進み、鶴舞線終点の赤池まで突き進むつもりだったが、今日は朝明りの中でゆっくり景色を楽しむモードになったので、右折して植田川岸を塩釜口駅まで下ることにした。川向こうの公園ではもう、ラジオ体操の準備をしている。

■８■世界は何と美しいのだろうと感嘆しながらそのただ中を進んでいると、見覚えのある黄緑色の人道橋が見えてきた。渡ると塩釜口駅に出る橋だ。鶴舞線６時51分犬山域に乗る。日曜だからか空いている。万歩計を見る。8800歩か。御器所の１つ手前の川名駅で急遽下車をする。朝の光の中をもう少し歩く。

■９■昭和警察署手前の赤信号で、車も人も通らないのにじっと待つ人がいた。無視して渡るのも憚られたので、１本裏道にずれて歩く。なんとこの道の方が、主要幹線より一直線だった。玄関に辿り着くと、10338歩だった。なんだよ、歩数合わせかよ。ポケットの中のウォーキングライトが少し恥ずかしい。

■10■最初から闇の峠越えの時間を調整したのでは疑惑。いやいや僅か数十分のずれだが、それは自らのビビりを乗り越えるための敢行だから、決して意図的行為ではない。まあ自分としては未自分にまでは責任が持てないが。それより昼間の方が全然画像が映えることを再認識した。今後意識的にずらすかな。

202511016 Sunday