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■１■午前４時半､９℃､体感７℃。今日は御器所駅交差点から南に６ブロック先の交差点から東にスタートだ。ここから住宅街を道なりに進んでまず八事までいく。途中、鉄格子の中央分離帯がある上下４車線の県道30号に行き当たるが、車皆無なので乗り越えて進む。良い子は絶対真似しちゃあ駄目なやつだ。

■２■途中、南山中高(女子部)沿いの道で、サバ猫に出会った。こんな寒い時になぜこんなところで？ゆっくり近づいても逃げないので、カリカリを少し多めに献上する。安易に餌をあげるのは良くないという者もいるが、こういう一期一会は絶対に大切にしたい。隼人池をいつもとは逆側から眺めながら進む。

■３■暗い坂道を越えて八事交差点まで来た後、道を間違えないよう慎重に八事石坂を上る。この坂の名前、古事記に出てくるあの生者の世界と死者の黄泉の境にあるというあの黄泉比良坂(よもつひらさか)にどこか似ている。そしてその先にある音聞山という地名にも少しビビる。一体何の音が聞こえるのだ？

■４■イザナギの背後からイザナミが呼ぶ声とか、魑魅魍魎の邪悪なささやきとか…と妄想しながら歩くが、思っていたより大きな道で、民家も途絶えることがなかった。帰宅後に調べたら、桶狭間の戦いの時に、合戦の音が聞こえてきたという説もあるが、さらに古くから南にある鳴海潟の潮騒が由来らしい。

■５■音聞山ではないが、35年前博多ヌースの会(ＢＯＢは不参加)の面々と小笠原に行った時、父島の隣の兄島にある見返山が夜中に光るというので、真夜中過ぎにみんなで見に行った。マジで光った。後でその無人島に現地人の案内で渡ってみた。島の最南端から見た太平洋は何とも言えない絶海感があった。

■６■体のあちこちに意識を向けながらひたすら歩く時、全体が無理なくスムーズに動くことが心地く感じられる。そしてふと思った。内なる自己他者問題で、あれこれと考える自己をも含めたより大きな内なる他者とは、一意で｢体｣そのものでもあり、そして歩くということは言葉なき対話でもあるのだなと。

■７■音聞山をなだらかに下ると、熱田神宮や新瑞橋から続く県道221号に合流する。新島田橋で天白川を越えて県道沿いに歩き続ける。東の空がうっすらと白んでくる。原駅近くの交差点まで来ると、ムクドリの鳴き交わす声が爆音のように聞こえた。ここは以前来た時もそうだった。ムクドリ特異点なのか？

■８■原駅をスルーして平針駅まで歩く。名古屋高速の下の円環形の歩道橋からは、赤白む東の空が見えた。平針で鶴舞線に乗って帰路に就く。早朝からスーツケースを抱えている人が多い。ああそうか、今日は土曜日だから旅に出る人が多いのだな。既に八事石坂から音聞山越えの時のビビりも霧散していた。

20251115 Saturday