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■１■「歩く」ことは人間として最大の特徴の１つだろう。赤ん坊や病人や歩行困難な人への気遣いはある。私も痛風で歩行困難だが病院に行くつもりはないので動けなかった時期がある。今日も右足親指に血豆が出来かけていて少し歩きづらい。しかし足を心なしか内側に引き寄せて歩くと、痛みなく進める。

■２■午前４時45分。外はまだ暗い。今日は猫々ハウス横の塩付通りを道なりに南下することにした。人は起きて直ぐ全力疾走するのはしんどいが、寝惚けていても歩き続けることはできる。最近は夜間にライトを身に着ける人がいるが、散歩の犬に電飾を付けているケースも見かける。犬的にどうなのだろう。

■３■４-２-３…と言ってもサッカーのシステム論ではなく、朝は４本足、昼は２本足、夕は３本足の生き物は何かというスフィンクスの謎かけのあれだ。最近は両手に歩行用の杖を持つ人や、歩行補助の４輪手押し車で歩く人もいる。４-２-４か４-２-６とか。なお日本サッカーの現システムは３-４-２-１だ｡

■４■歩きながら考えるのと止まって考えるのでは、起きて考えるのと寝て考えることのように違いがある。どちらが良いか悪いかの二択ではなく両方が重要だと考える。京都の哲学の道とか、カントの定時散策ルートだけでなく、道があればいつでもどこでも思考ロードになる。歩きながら考えるのは好きだ。

■５■東の空が明らんできた。同じ朝焼けは１度たりともない。しかし全てを見ることもできない。それでも眼前の美しい朝焼けを十分に味わえる時に味わいたい。17℃、体感15℃。暑からず寒からず、絶好の歩行タイムだ。4000歩歩いたところで上着を脱ぐ。街路樹の花水木がいつの間にか落葉し始めている。

■６■東の空が赤らみ、西の空の雲が茜に染まってきた。やがて西山が染まる。なるほど西の空が明るく赤らむから｢茜｣かと一人納得していたが、調べたら草冠に西の音からなる形成文字で、アカネ科アカネ属のつる科多年草の名前（またその染料の色）とあった。何だよ、朝焼けの色は後付け形容だったのか。

■７■南下し続けて鶴里駅まで来た。６時。6000歩余。直進を続けるか、或いはここで左折して桜通線沿いに進み､10000歩になったら最寄りの駅から帰路に就くか？直進を選択。日が昇りこの身にも陽光が当たる。快感。夜が昼に反転するように、主導意識が仙骨から蝶形骨に変わる。意識が外界側に引かれる。

■８■名鉄のガードに行き当たる。ここでようやく左折して線路際を歩く。すぐ隣を名鉄が走っていく。赤い車両が関東の京浜急行を想起させる。本星崎駅から桜駅まで名鉄に乗り、桜通駅から御器所に帰還する。歩きながら考えるだけでなく、歩きながら感じることも至福なのだと、陽光を浴びつつ実感する。

20251027 Monday