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■１■桜通線で名古屋に出て、名鉄本線で東枇杷島まで行き庄内川を下る。ちょっと待て、それは昨日と同じルートでは？その通り。しかし今日は対岸の中村区・中川区側を下るのだ。初めての２度目。人は１つ川の両岸を同時には歩けない。しかも同区間でも上りと下りがある河畔歩きの４値を体で示すのだ。

■２■電車の中で思った。日本人は本当に身綺麗にしているな。個々人の審美眼もあるけれど、半ば無意識に全体との調和も大切にしているのだろう。誰もいない川沿いの小道をひたすら歩く。道があるからには人が通るのだろうが、葛や薄や葦などが左右から道にはみ出しているのでランニングにも適さない。

■３■太閤橋のたもとには、死人を埋めたとしても見つからないほど（止めなさい！）密生している竹林がある。それらの周りを葛の群れが覆い隠し、薄やセイタカアワダチソウが空間を奪い合うようにひしめいてる。もし上次元というものがあり、そこから眺めたら私たちも同様に見えているのかもしれない。

■４■庄内川を跨ぐ太い水道管の上に、野生の鵜が群れなして休んでいる。護岸工事用の土砂運搬中の大きなダンプカーが、河川敷にある普段は進入禁止の車道を次々に通る。向こうは仕事なので、堤防の法面にある道に移動する。この時期は春の菜の花以上に、セイタカアワダチソウが両岸を黄に染めている。

■５■この外来種は根から周囲の植物の成長を阻害するアレロパシー物質を出してやたら増殖するのであまり好かれていないようだが、個人的には結構好きだ。昔のユーミンの曲の歌詞に出てきたはずなのだが、曲の名前が思い出せない。ネット検索したけれど分からない。歌詞を全部チェックするしかないか。

■６■幾つもある野球グラウンドでは高校球児が早朝練習をしていた。ランニングしている子たちが皆、すれ違う時に｢お早うございます｣と挨拶してくる｡年長者を敬えとの教育なのだろうか。それとも歳の行ったＯＢと間違えられたか。こちらもついちょい上から目線っぽく｢オイッス｣と１人１人に返答した。

■７■関東から名古屋に来てはや四半世紀が経つが、どうもめっきり垂直方向への移動が苦手になっている。マンションを５階まで階段で上がったり、地下３階の地下鉄から地上にでるだけで息が上がる。尾道や神戸などの坂道ばかりの町では考えられないほど、名古屋はほぼ急坂がない真っ平らな土地なのだ。

■８■昨日は万世大橋から河畔を離れて八田まで歩いたが、今日はもう少し川を下り近鉄の伏屋まで出た。急がないので問題はないが、普通しか止まらず急行や特急にガンガン追い越されて、えらい時間がかかった。それでも名古屋駅では通勤ラッシュ時で、爺ぃの特権行使して優先席に尻を据えさせて頂いた。

20251024 Friday