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■１■今日はいつもより30分早い４時に出発した。吹上から新栄まではショートカットで。そこからは錦通りで名古屋駅まで１本だ。ショートカットと言ってももちろん女の子の髪形でもキーボード上の操作でもなく、シンプルに近道のことだが、地図で道を見ると大体３＋４＝７の道のりを５で済ませている。

■２■３･４･５と解せばプラトン立体だが、３:４:５と言えばエジプトの直角３角形だ。そして５と３＋４＝７から５:７≒１:√２で白銀比をも連想する。歩き続けるとさらに日本の俳句や短歌、そして旋頭歌なども意識に上がる。旋頭歌は５･７･７を２人で唱和するものだが、１人だけの自問自答形式もある。

■３■思考の怠惰によるショートカットは宜しくないが、直観によるそれはあり得よう。思考よりは緩く、直観より鋭さのない妄想像は結構好きだ。理と情を併せ持つ日本語で歩きながら草々を考える贅沢。昨日は地下鉄桜通線の上を歩いたが､今日はわずか400メートル挟んで並走する東山線の上を歩いている。

■４■栄エリアに入ると人波が増えてきた。そうか今は土曜の夜の続きの日曜未明か。路上で抱き合い離れない男女。地べたに座って怠そうに話すグループ。嬌声を上げる女の子たち。雑踏の中で昨日の大谷翔平の７回途中無失点10奪三振かつ３ホームランを思い出す。意識よりもまずスポーツ脳と体が震えた。

■５■芸事や学問に打ち込んでいた人を軽んじるつもりはないが、昔スポーツをやっていて本当に良かったと思う。体は意識の乗り物だという捉え方もあるが、個人的には身体も自分だと考える方が好きだ。知と未知は信と不信ではない。ポンコツなのは体でなく自分の方だ。そして共に在る事に至福を感じる。

■６■栄を過ぎると人波がパタリと途絶え、静かな大通りを進む。堀川を渡る桜橋を越えるともう名古屋駅がすぐそこだ。しかしまだ５時前だ。飲み会明けでたむろしながら始発を待つ人たちが目立ち始める。どうする、桜通線の太閤通駅まで歩くか？いや無理はせず名古屋駅で着替えして06:32の始発に乗ろう。

■７■おお成程、日曜の朝イチは平日より乗客が多いのか。疲れて眠る人が少なくない。36分御器所着。外に出るとまだ暗い。元々は天気男だったので快晴が好きだったが、最近の猛暑で曇天の日も好きになっている。その曇り空が東から茜に染まり始める。いつもの交差点信号を今朝また初めて渡る心地よさ。

20251019 Sunday