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■１■今日も４時半スタート。御器所交差点から山王通りを西へ。かつてこの６車線の道の名を御器所通りだと思っていた。しかし実は地下鉄御器所駅をまたいで荒畑までの通りを挟んだ両側の町名だった。今日は無心で歩こうと思っていたが、その地名の途切れた辺りで、突然猫の悲鳴のような叫び声がした。

■２■うわ、先の横路地から出てきた車に轢かれたのかと驚いて歩を進めると、猫が２匹植込みの裏で威嚇しあっていた。カメラを向けて近づくと、１匹が走り去っていった。すぐ心乱されるワシ。そんなワシを嫌いでないワシがいる。いやオマエも一緒にドキドキしてただろ？そんなワシをワシも好きだけど。

■３■このワシとワシを直交するが交差しない正４面体の２辺に重ねると４点と６本の関係線が…いや、今日は論理思考はしないのだった。では何のために歩いているのか？for what？いや、何のためと言う目的や理由はいらない。今歩くために今歩いているのだ。毎日違う答が出るよな。まあそれもまた良い。

■４■鶴舞南を抜けて中央線をくぐり、新堀川を渡って、大津通、伏見通を抜け、堀川を跨ぐと名鉄線・ＪＲ線にぶち当たって山王通は果てる。それまでは闇に向かって歩いていたが、そこからは名駅通りを北進する。東の空が白んでいる。名鉄やＪＲの列車が動き始めた。駅に近づくにつれて人が増えていく。

■５■早朝の通勤通学の客や、各地から到着した長距離深夜バスの乗客たちが駅に向かう。そんな流れと共に、一昨日の交通事故現場の横断歩道を渡る。百キロ近くの猛スピードで走ってきた軽自動車が、バランスをくずしたまま横断歩道に突っ込み、１人死亡２人重症の悲惨な事故だった。道端に供花がある。

■６■何故、何のために物事は生起するのか？という問いは切実だが少し剥き出し気味で性急に過ぎる。言語化した問いの形ではなく、言語化される前の事象そのものの中で自らもその物事の一部となってみる。いや、今日は無心で歩こうとしたのでは？犬も歩けば棒に当たる。願わくば笑いにぶち当たりたい。

■７■２世紀前の宇宙の７不思議。物質とエネルギーの本質。運動の始まり。生命の発生。自然の合目的性。感覚の成立。思考と言語の起源。自由意志の本質。２世紀経っても何も解明されてはいない。宇宙には中心も軸もないし、物質と運動は統計学的には均質で、等方向性を有する。…何を言っているのだ。

■８■結局考えている自分がいる。何の役にも立たなくても、思考するのが趣味のように好きなのだな。やっと駅に着き地下鉄に乗れば、何のことはないいつもの６時２分の列車だ。この車両の乗客はいつも同じ人達なのだろうか。いつか観察してみよう。御器所に着いて帰路につけば、昇る朝日が眩し過ぎる。

20251017 Friday