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■１■早寝すれば早く目が覚める。午前３時半。２度寝しようとするが、ふと昨日の猫が気になった。早朝だけあそこにいるのか、夜中でもいるのか確かめたくなったので、いつもの格好で外に出る。僅かにぱらつく雨。天気予報を見ると今日は６時頃から雨。なら本格的に振り出す前に未明の街中を一回りか。

■２■ドキドキしながら御器所交差点に行くと、シャッターの前に猫はいなかった。ちょっとホッとする。今日は雨だからどこかに避難しているのか、それとも飼い主の家の中か。そのまま青信号を渡る。ことごとく信号が青になる日はある。鶴舞側に青信号が自分を引っ張る妄想空間に面白がって乗ってみる。

■３■早速道端に猫。本当に夜は猫の領分だ。ちょっと腰が痛い。歩き過ぎかと思っていたが、腰痛には１～２時間歩くのが良いという説も。どっちでもいいけれど、都合の良い方を採用。腰は月と要。要は西と女。女はくノ一。忍者は刃と心…。歩き続けると勝手に転がる自動連想の波もふと止まる時が来る。

■４■動いている自分からそれを見る動かない自分にシフトする。騒めいているとなかなか気づかない。自分の意識の位置をひょいひょい変えてみる。悟れとか無とか忠告する輩が昔はいたけれど、止むに止まれぬ優しさからだったのだろう。今はどちらも楽しめる時代だ。神も仏も外には必要としない世界だ。

■５■ただ優しく見守る視線があればいい。昔は世の中を新領域へ引っ張るリーターとして頑張っていた者が、昔の自分の観念に取り込まれて昔の未来を他者に押し付ける。その未来もとうに過去だと自覚できないコンニャク爺ぃも沢山いる。人ごとでなく自らも爺ぃを生きる。そして爺ぃすら超えて行くべし。

■６■腰の具合はどうじゃろか？爺ぃの視座から体の調子を確かめる。腰や膝に意識を向けてみる。体がリズミカルに動くことが心地よい。若い時は当たり前だったから気づかなかった。はい、目の端に猫発見。電柱と壁の間にキジトラさん。そーっと近づき、カリカリ一を握り。後ずさりしてその場を離れる。

■７■雨がまばらな霧のように落ちてくる。傘をさす。青信号ゲームの結果、大きく一回りしてまた御器所に戻って来た。シャッター前の猫はいない。ほっとする。思い付きを立ち止ってメモをする。３次元は何事も時間が掛かるなと感じる。家の近くまで戻って来るとちょうど一万歩。今日も歩いちまったな。

20251004 Saturday