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■１■人間は時間を掛けて嘘をつく。｢君を必ず幸せにする｣と言っておいて、後にそれを反故にする。まあ口にしない人もいれば、一生それを守る人もいる。発した言葉はその時点では偽らざる真意であっても、口から出た時点から腐食が始まる。安易に発する言葉もあれば、口にせずそれを生きる人もいる。

■２■思考として脳内で勝手に言語化するということに近い。考えたことをそのまま口にすることをただ正直と判ずることで、その者を時間を掛けた嘘つきにする。心からの真言とするのに最初から賞味期限を設ける愚者／賢者はいない。意識的につく嘘も、利他的方便で語る者と我欲のために騙る者とがある。

■１■春はどう歩いても足下で若草を踏んでしまう。自分も自然とイメージして表皮細胞と大地を重ね見ると、草々も体毛や表皮細胞と重なり、１つ１つの細胞を気にかけることは不可能でも表皮には感謝している。地上の草々も１本１本でなく群れ全体に感謝する。人には詭弁だが、大地には詭弁も関係ない。

■２■子供の頃、普通に歩いていてもアリを踏んでしまうことについて考えていた時期があった。成長過程の多忙の中で忘れて行ったが、その話を後日思い出した時、真剣に聞いてくれたのはＢＯＢの兄の有正氏だけだった。１人の外的世界と体内の諸器官や細胞とは別次元だ。様々な重層的視座が必要なのだ。

■１■全ての人の世界の見方は異なっているのだから、同じものを見るのは不可能だというもの言いは、それでも同じものを同じものと捉え得る私たちの意識と無意識の認識能力の片側しか見ていない。全てが違うだけなら｢同じ｣という言葉と同様｢違う｣と言う言葉も意味をなさない。差異と相似と二而不二と。

■２■個人個人の記憶の在りようもまた、人間という生物種的な共通のパターンがある一方、個々人にも特有のパターンがある。個と種。記憶させる側のやり方も時代や民族や地方によって様々だ。昔は恐怖や暴力でルールや危機回避技術を記憶に刻ませた。いわゆる体に覚え込ませる旧態法は今も強力至極だ。

■１■自己責任で本当にやりたいことを中心にする生き方。やりたいことをやるのに忙しいので、現状の不備を他者や世界や環境のせいにのみするつもりはない。熱中事を人に強く勧めたり助言する余力もない。でも協力したりリスペクトする時はしっかりする。貶めたり不快がる暇はないし時がもったいない。

■２■語れば語るほど伝わり難くなり、自分自身の本意からも遠のいていく気がするけれど、それでもずっと語りたいという止むに止まないものがある。ひふみよい…一二三四五まで来て、五が祝詞あげる口を持つ｢吾｣となり、口をあけてそれを言えば｢語｣となり、口を閉じてその先を心に秘めれば｢悟｣となるう。

20250519 Monday