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■１■人､非人､人非人｡｢人｣とは<人間>の生物学上の標準和名で､生物学上のホモ･サピエンスを指す場合<ヒト>とも表記する。｢非人｣とは特定職能民･芸能民の呼称で、後に罪人･世捨て人･乞食･癩病患者など被差別民の呼称となる。｢人非人｣とは人道に外れた行いをする者、ひとでなし･冷血漢･鬼畜･悪人を指す。

■２■普通私たちが｢人｣と言う言葉を使う場合はもっと広い意味で、常識を無視してはみ出さない社会の一般的構成員としての人間を指す｡では｢非人｣や｢人非人｣はそれに対してネガティブな意味しかないのかと言うと必ずしもそうではない。人間ではないものの釈迦如来の眷属である八部衆(天人や龍)をも指す。

■３■さて｢非人非人｣は辞書には載っていないここでの造語だ。意味的には非・人非人であり、人間としての常識的な帯域をはみだした存在形体を指している。それら全てが邪悪で有害なものとして捉えるのではなく、逆にそちら側にはみ出し行くべき方向にいる超越存在という肯定的な意味も内包させている。

■４■諸状況が、AIの核爆発的進化や量子コンピュータの実用化等の科学技術だけに限らないシンギュラリティ(特異点)をまさに迎えようとしている現今、人間としての既存を超えずこれまで通りのままやり過ごそうとする者には、この非人非人は非･人非人ではなく途轍もない(非人)2の存在として映るだろう。

■５■｢人｣と｢非人｣と言う二元対立の見識を等距離から見詰めるという意味で、二元からは良くも悪くもそれを超えた視座を有する｢人非人｣を想定した時、必然的に｢Ａ｣｢Ｂ｣｢ＡでもＢでもある｣は４値論理的に｢ＡでもＢでもない｣がついて来る。<人>と否定の<非>の組み合わせは更なる５番目の視座を要請する。

■６■面倒くさそうな話だが、非人非人を立てた場合、これら４値のどこにも意識的に属せるが、その内のどの１つにも染まらず留まらない、それらを等距離に見る５番目の視座の想定が重要だということだ。その指示語は｢非非人人｣でも｢人非人非人｣でも「非俳人｣でもいい。指示され得るそれが重要なのだ。

■７■■７■仏教的には現実をどのように認識するかが大事であり、ありのままに認識することを｢事｣と言う。そしてそれを言語化することが｢理｣だ。ブッダが悟った内容は｢事｣である。彼は｢理｣にできない｢事｣を｢不立文字｣として表現した。それを弟子達は｢不立文字｣と文字化するパラドクス自体でそれを自得する。

■８■｢理｣には自らの展開に都合が悪いものと遭遇した時、｢理｣から僅か｢一｣を?がすだけでその都合の悪い別の｢理｣が見えなくなるよう｢埋｣めてしまう技がある。その愛すべき｢理｣は天に向って唾は吐かないが、ひとりよがりの文字列を大量に真横に吐く。｢理｣は｢理｣自体を｢理｣する時ようやく｢理｣を超える。

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(※)画像は内容とはあまり関係のない、2006年４月17～17日の甲府桃源郷OFFのもの。

20250513 Tuesday