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■１■魑魅は山の怪、魍魎は川の怪であり、魑魅魍魎は山河の怪を表わすという。現代では登山する人は多いが、河畔を歩く人はそう多くはない。夜の山は恐いが、考えてみれば夜の川も充分恐い。夜は別としても川岸ばかりを好み歩いていると、当人の知らぬ間に快が怪となり、魍魎へと変わるやも知れない。

■２■庄内川の春日井市側を堤防沿いに歩いていたら、堤上道の路肩の横に下津尾渡し跡という碑が立っていた。帰ってから調べてみると、1960年頃までここから対岸の竜泉寺の参拝用に渡し舟が出ていたとのこと。特に節分や初観音の時には利用客も多かったらしい。今ではその対岸には竜泉寺の墓地がある。

■３■そこからさらに400ｍほど下流の中切町に入ると幅180ｍ程の大堰があった。なるほど、だからこの辺りまでの川の流れは緩やかで水量も豊かだったのか。そこより川下は川幅がぐっと狭まり、その分河川敷は広くなっている。名古屋第２環状道路と国道302号が川を跨ぐ､庄内川大橋をくぐって先に進もう。

■４■何面もの野球場の横を通る道の先に｢名古屋RCヘリクラブ飛行場｣の看板があった。ヘリポートなのかと思ったらラジコンを飛ばす広場だった。その横に土台がコンクリートの奇妙な建物があったが、正面に回ると工場用取水施設だった。そう言えば松川橋をくぐってすぐにも塔付きの同様な建物があった。

■５■さらに先には川を跨ぐ中央西線の橋脚がある。対岸を歩いた前回はそこで左折して、１km先のJR新森山駅から帰路に就いたのだが、今回はさらにまっすぐ進む。線路をくぐると、その先は水際がコンクリートの護岸ブロックで固められていた。次の勝川橋で対岸の守山区側に渡り、さらに岸を下流に歩く。

■６■名古屋市守山区側の堤防道路に｢庄内川河口より22km｣の看板があり、それ越しに上流側から堀川の取水口を見るのも新鮮だ。水分橋のたもとで左折して矢田川を三階橋で渡り、既に見慣れた黒川水門を横目に上飯田駅で地下鉄に乗って帰路に就いた。途中外国人に道を聞かれたが、それも非日常で楽しい。

■７■そういえば今日は途中からずっと河原の石や土や、河川敷の草上を歩いて来たけれど、街中とはまた違って足や身体への負荷が大きかった。翌日まで疲れを持ち越さないよう帰宅後すぐに風呂に入らねば。靴や服装や休憩や給水とかも、色々考えて行かなければ。川下りは田舎から街中への分光通過帯だ。

■８■最近は何日かに１度長めの川歩きになっているけれど、その前後の交通機関に乗っての移動時間が長くなってきているので、トータルすると小１日ががりのイベントになりつつある。これから暑い夏に向かうし、もっと早朝に家を出るとか、歩行の途中に別のイベントを挿入するとか色々考えて行きたい。

20250425 Friday