■１■丁寧に生きるということ。他者に強制されて無理矢理丁寧に生きることはできない。面倒くさいなと思いながら念入りにやるのは丁寧とは言わない。丁寧に書かれた文字と、雑に書かれた文字とは誰でも見分けられる。妥協や見せかけの丁寧というものはない。丁寧に生きようと心掛けた時は既に丁寧だ。
■２■人間を語る時は人間をはみ出さねばならない。人間のままで人間を語るということは、前２項の和として人間を語った時点で、その語り自身もまた次の項の要素となるフィボナッチ数列のように、その流れから逃れられない。前後２項の比は黄金比に漸近して行くが、黄金比そのものには決してならない。
■３■概念や約束で極限や無限大を共有しても、実際にそれに辿り着いた者や体獲した者はいない。極限や無限は私たちの衝動であり、その衝動や情念を知的に形にしたもの、例えば色相環や周期表や音階や惑星周期表や50音図や数式等で表された人間の世界の捉え方の上で、人間の世界を語り見ることになる。
■４■私たちは自らの全ての生命時間を俯瞰したり、同時に２か所以上に偏在できない。生体の諸変化が様々な情緒の遷移を生み、意識流れて音楽が生まれる。だから一寸先が闇と見える時、そのさらに一寸先は眩い光かもと考えることもできる。同時に偏在できないからこそその場に居合わせる奇跡を喜べる。
■５■混乱としてでなく、歩きの１歩１歩や､呼吸の１つ１つや､書き込む文字の１つ１つが、綿棒の１本１本と同じという感覚がある。もちろんその時の綿棒と表現するものは、綿と紙で作られた３インチの物質そのものではなく、存在の基本単位とか、生を刻む時の目盛りのようなもののメタファーなのだが。
■６■個人的には数や形についての思考は、そのようなところで成されているのだと勝手に妄想する。大自然の中で道に迷った時も、万策尽きて出口なしのような状況でも、そのようなところを介して新しい道筋が見えてくる。自己と他者、自らと世界という対立でなく、理を超えた混沌でなく不二である場で。
■７■意見や主義主張の違いは人間同士あってしかるべきだ。ただしそれに終着しすぎて眼前の対話者の人間性を最初から否定したり、偏見を持って接したりするのは、器が小さいというより成人として矮小な気がする。人間同士だからいつ地雷を踏んで激高されても、相手へのリスペクトは手放さずにいたい。
■８■シとツが区別しにくいのは何も日本語を学び始めた外人に限ったことではなく、今さっきも「シンデレラガール」を「ツンデレラガール」と読み間違えていて、その認識エラーを自覚した後、読み間違えた方のダジャレ的センスに自ら納得してしまっていた自分がいた。自らも読み取り得ない日本語空間。
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Pictured
by <1>Seele An
<2>Philipp
<3>Luke
Thornton <4>Colin Watts
20250409
Wednesday
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