■１■春分は過ぎてしまったが、ギリお彼岸の内に｢地球暦｣について少しだけ文字列を連ねよう。｢地球暦｣は静岡在住の(と言っても飛び回っている時は全然いないけど)杉山開知氏が創出した１年１枚暦だ。今年でもう18年になるが、毎年進化し続けて止まないバージョンを、春分の頃にリリースしてくれている。
■２■サイズは太陽系の内惑星、つまり火星までの軌道を実寸の１兆分の１スケールで正確に表し、動きの遅い外惑星はその外に示されている。１兆は10の12乗だから、個人的には地球の10進法と12進法を重ね見る視座を重ね見ている。暦情報は正確で広大だが、世界観は何ものにも偏ることなく自由度が高い。
■３■円の１周360度が１年365日に精妙に分割されており、水星の１公転88日、金星の１公転225日、火星の１公転687日も暦面上にドットでプロットされている。その１日ごとの動きをピンなどでトレースしていけば、地球の１日１日が辿れ、同時に他の惑星との相対的な位置関係等が一目瞭然となるのである。
■４■この火星までの公転軌道直径、つまり地球暦のサイズはほぼ１キュービットだ。１キュービットは人間の肘から中指までの長さだ。個人差はあるけれど、各個人の肘から指先までの１兆倍が火星の軌道と重なると考えると、暦の本質が自分の外部にだけあるのではなく、自らもまた暦であることに気づく。
■５■上述の水星･金星･火星の公転周期の和は地球の１日でぴったり1000日なのも､月の自転･公転周期と地球の塗交点の間の自転回数を掛け合わせるとほぼぴったり10000日になるのも､プラトン立体５つの全ての面数50＋点数50の和がぴったり100になるのも、私たちの世界の在りようの美しさの片鱗なのだろう。
■６■プラトン立体５つをサイコロにしてその目の数を合計すれば、太陰暦的な月の13自転・公転周期日及び12朔望周期354＋１の355と重なる。また正６面体-正８面体、正12面体-正20面体のように双対立体のペアとして正４面体をもう１つ加えると365となり､太陽暦の１年の日数と自然に重なることが分かる。
■７■同じ漢字の｢レキ｣でも｢歴｣は過去の出来事の記録であり、｢暦｣は現在と未来に関する示唆と情報を意味する。地球暦にはその同封の資料も含めて現在と未来に関する情報が本当に盛り沢山だが、使い方は各自で好きなように使えて自由度が高い。暦や時間に縛られるのでなく、如何に生きるかに重ねうる。
■８■今日びは世界暦のみならず、銀河暦、宇宙暦まで広がり行くが、同時にまた自らの心身の内側を探究し充実して生きるための自分暦も必要となる。地球暦はそのミクロにもマクロにも発散せず、大きくも小さくも振動する時間と時空を､ちょうどいい感じで転がり進める絶好のアイテムの１つと捉えている｡
(※)暦天菩薩杉山開知氏を遠くから応援する１オタクが無責任にこれを記す。興味ある人はご自分で検索してみてください。。
20250323
Sunday
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