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■１■最近は頭が疲れた時に気分転換のためにと、何となく綿棒多面体の｢星の種｣を作っていた。１個分は色塗り30本で20分､ペーセメ塗るのに５分。冬だから20分は乾かし、制作は10分ほど。最後に水性ボンドを接続部に塗る。一気にでなくスキマ時間にちょこちょこと。机上にゴロゴロし始めたので集めたらみたら10個になっていた。

■２■10年ほど前まではこの｢星の種｣すなわち綿棒多面体の小星形12面体を作るのが少し苦手だった。漫画の神が手塚治虫なら、綿棒多面体の神は山本裕一氏だ。彼のブログの中で１辺１単位の正12面体の内部に大星形12面体が内接し、さらにその中に小星形12面体が、黄金比を介して連続して連結する構造があることを見て学ばされた。

■３■５芒星は最小の多芒星であり、線の交差により分割された線分比や、ミクロマクロ方向にホロニックな分割比も全て黄金比φが関与している。また平面的である５芒星に対して、<線>で構成される小星形12面体は立体の５芒星と言える形状をしている。さらに12の頂点を繋ぐと正20面体となり、12の５角錐を取ると正12面体となる。

■４■チーム｢ASUKA｣は､綿棒多面体好きが関西方面中心に自然発生的に集った緩い製作集団だが､実はこの初動時の私の視座は｢バッキーボール｣(切頂20面体)や｢オオモノヌシ｣(斜方切頂20-12面体)など、綿棒多面体でもマクロ方向に向いていて、未だラムーコ式制作法を知らず、細いベビー綿棒を使う小さな｢星の種｣の制作が苦手だった。

■５■それまではペーパーセメントを塗った綿棒を、割り箸の上に乗せて乾かしていたが、台所用品であるキッチンペーパーの上に乗せて乾かすという今では当たり前の制作術(ラムーコ氏発案)も知らなかった。またずっと１本１本地道にペーセメを塗っていたので、５本一度に塗るセクションＳを最初に見た時は悪魔の所業かと思った。

■６■やがて蛍光ペンや蛍光塗料を塗った綿棒多面体群を、暗闇の中でブラックライトを当てて輝かすイベントをしたり、京都のお寺の奥さんが寺の施設で星の種を沢山作って吊るしたり、来訪者達にプレゼントしたりする企画もあった。やがて身辺に苦手な星の種が溢れて来て、ようやく私の視座も多面体の中心方向に向き始めてきた。

■７■星の種の｢星｣は５重対称性の星形立体であることから来ており、｢種｣はそれらの綿棒多面体群の中心に入る立体だからという意味だが、それ以前にホシノタネという愛称で呼び習わされていた。やがてその頂点上の正３角形、黄金矩形、正５角形から全ての角錐を立てることで出来る２次的綿棒多面体を数え上げていくことになる。

■８■しかし今回の星の種制作で、今まで僅かに捻って５芒星の形を整えたり、立体化の時に綿棒を内側に通したりという細かいことをしなくても、先日紹介したラムーコ式｢星の種制作方法｣と、堀内バージョンの｢星の種制作動画｣をなぞることで、最後に綿棒の頭を揃えれば自然に綺麗な形になることを痛感した。進化していくのだな。

20250218 Tuesday