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■１■実は昨日の朝方、久しぶりに雪が積もりかけている街を抜けて鶴舞公園まで行こうと家を出たのだけれど、50メートルも行かないところで雪国仕様のブーツの底が突然バックリ?がれ取れてしまった。当然歩けないので家に引き返したのだが、その時物凄く胸騒ぎがして今日の雪中行はヤバいと中止した。

■２■単なる気のせいかも知れないが、自らの危機回避能力や虫の知らせも案外あると思っている。その後で転倒して怪我を負うとか、スリップした車に接触するとか勝手に色々と妄想像したが、その日は結局家で綿棒多面体制作に勤しむことにした。記録的な積雪で大変な地域には心よりお見舞い申し上げる。

■３■既にベービー綿棒30本で｢星の種｣(小星形12面体)を作った。さらに綿棒60本で｢星の籠｣(５芒星12面体)も制作した。共に５重対称性の立体だが、今日はこの｢星の種｣をさらに綿棒60本を使って｢星の籠｣と接続させてみよう。つまり｢星の種 in 星の籠｣である。既作のものは使えないので最初からの制作だ。

■４■先ず星の種は５芒星の固まりのようにも捉えられるが、よく見ると１辺が綿棒１単位の正３角形が全部で20個ある。それら全てに綿棒３本を乗せて外側に３角錐(＝正４面体)を立ち上げる。その結果できる20個の頂点は１辺が１／φの正12面体の形になり、その12面に５芒星を接続すると｢星の籠｣になる。

■５■接続用の60本は無着色のままで構わないが、星の種の30本と星の籠の60本は着色した方が良い。もしくは逆に星の種と星の籠は無着色のままで接続部分の60本の方を着色するなりしないと、折角完成した立体の内部構造が見て取れない。ちなみにこの綿棒多面体の線同士の交点は全て黄金比となっている。

■６■制作してみて分かる事だが、この完成した綿棒多面体を見ると、内側の星の種の12個の頂点にはそれぞれ綿棒が10本集まっており、外側の星の籠の20個の頂点には全て綿棒が９本集まっている。また星の種の中にある20個の５芒星は、重心の延長線上で30度回転して、５芒星12面体の面心に接続している。

■７■この複合多重の綿棒多面体には正３角形･正方形･正５角形･五芒星･黄金矩形･菱形の他に、正４面体･正６面体･正12面体･正20面体も見て取れる。全体構造やそれぞれの形に自分なりの意味や価値を対応して乗せることは自由だろう。だがその世界観を他者にも共有せよと無理強いするのは愚の骨頂だろう。

■８■だからこれもまた個人的な感想として語るけれど、形の美しさは我々の笑いに似ている。別にそれらに共鳴共感しなくても生きていけるが、笑いの渦の中ではおのずと笑顔になるし、美しさに気づいた時は自然に喜びが湧いてくる。いずれ響きが伝わることもあろうから、ひっそり記して置いておくなり。

20250209 Sunday