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■１■歩くと走るの違いは何だろうと考えながら目が覚めた。２℃、体感０℃。はいはい、今日は曇天。曇りの日は気も曇る。概念でなく体が、今は未だ走るのは歩くのより疲れると筋肉痛で教えてくれている。今日は山王通を西に向かう。白い山茶花が咲いている。ゴシック仕様の結婚式場もまだひっそりだ。

■２■地下鉄荒畑駅の手前に、塀の外に人形を沢山並べている家がある。今世紀初頭、名古屋に来た時は既にあったから、それ以前からのディスプレイだ。ただ並べっ放しでなく、マメに入れ替えたりしているんだよね。今日もクリスマスバージョンになっている。ただ通行人はそんなに誰も見ないんだよなあ。

■３■両手を思い切り早く振っての早歩きは疲れないけれど、やはり走る速度より遅い。両足を同時に大地から離さない競歩は早いけれど、どこか不自然な力が加わるので疲れる。軽いジョギングはゆっくりだけれど、体重移動がスムーズだ。軽いランは歩数は少なくてもピッチが広くて相対的に歩行より早い。

■４■すぐ横にある鶴舞公園を通ろうと山王通から外れる。赤や黄色やオレンジの紅葉がまだ多く残っている。公園散歩やランニングの人が多く、通勤通学者も鶴舞駅などに急いている。名古屋人でなければ公園の方はツルマと読み、駅の方はツルマイと読むのは問題ではない。愚妻はツルミャーと敢えて読む。

■５■ここは奏楽堂や噴水塔バラ園や桜林や公会堂や図書館もある、１世紀以上の歴史を持つ総合公園だ。駅前の公園入口に黄色い服と帽子を着用した多くの人がいた。ゴミ袋を持っているので清掃ポランティアだろう。今日の仕事内容や分担などのガイダンスを聞いているようだ。心より感謝を申し上げたい。

■６■公園を抜けて大須通を上前津に向かう途中、人前なので早く走ろうとすると、腿の筋肉がちょう待てと悲鳴を上げた。早歩きは問題ないのだが、走る時の着地での負荷に痛みの信号を発している。昨日まで知らぬうちに己を過信していたことに気づく。大事になる前にスローダウンしつつ鶴舞公園に戻る。

■７■もう今日は<早歩き>と<遅走り>とか区別せず、水平方向とか垂直方向も過剰意識せず前に進もう。生物学的に知覚器官が集中する方向が前だ。顔の向く方向が前で背中側が後ろだ。未来は眼前にあり、振り返ると過去がある。それでも<前>世を過去、<後>世を未来と言う日本語の深淵を探りつつ前進する。

■８■薄着で姿勢よくグングン走る人がいた。憧れだけれど、自分はまだ全然初心の走歩者だ。それにしても既に年末でクリスマス前だというのに、まだ晩秋が楽しめている。ただ在る世界が美しいのは、自らの内に美しいと感じる心があり、それらが１つになるからだ。焦らず腐らず美しい走りに漸近したい。

20241221 Saturday