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■１■11時出発。気温は９℃。曇り空。14分の鶴舞線に乗り、上前津乗り換え名城線で平安通経由上飯田へ。ちょうど座れるかどうかほどの込み具合だと、たとえ座らなくても優先席近くの車両に乗る癖が付き始めている。最近いつも眠い。ちょっと疲れ気味か。眠ると元気になる。まあそれは自然な事だけど。

■２■上飯田から三階橋方面に向う。逆側からアプローチして見た黒川樋門と三階ポンプ場は初めての２度目だ。ついでにそこから分流している庄内用水の始点も見た。この用水は名古屋市最大の農業用水で、北区･西区･中村区･中川区･港区までの庄内川左岸を一手に潤し､導水路を経て荒子川にも注いでいる。

■３■そこから上流に向かって川の右岸を歩き始める。矢田川の河川敷は両岸とも広いが水量が冬だからなのか非常に少ない。河川敷の雑草が綺麗に刈られている。これだけ広大な面積を管理するのは実に大変だろう。１km余り歩くと国道19号が走る天神橋がある。それをくぐり次のＪＲ中央本線もくぐり進む。

■４■ショベルカーと小さなダンプが河川敷に溜まった土砂の撤去作業をしている。その先で矢田川橋と名鉄瀬戸線をくぐる。堤防斜面の遅咲きのセイタカアワダチソウの黄色が周囲の紅葉や黄葉と響き合って美しい。川向こうの小牧飛行場にアプローチする飛行機が飛んでいく。何気なく綿棒多面体を転がす。

■５■野球場が何面もある冬の河川敷だが、寒いからだろうかほとんど人がいない。かつて砂田橋駅から歩いて渡った宮前橋とレールバスのガイドラインをくぐって下から見上げる。寒いので早足のまま進み、13時には今日の最後である千代田橋まで来てしまった。橋の真ん中まで行ってからまたたもとに戻る。

■６■この千代田橋の少し上流に谷田川と香流川の合流点があるはずなのだが視認できなかった。ここで矢田川と別れを告げて南進する。風が強くなって来たので立ち止まると冷たい。帰路に就くために乗る名城線の茶屋ヶ坂駅は少しだけ引っ込んだ所にあるので、危うく見逃しそうになったが何とか辿り着く。

■７■様々な場所を歩くことでそれら同士の位置関係や繋がりが解るのだが、さらに外に出るとそれまでの理解は保持されたまま、さらに新しい関係が見えてくる。例えば中川運河･山崎川･堀川･新堀川･荒子川は名古屋港で１つ所に集まって海に繋がっているが、そこから遡ってのそれぞれの関係も見て取れる。

■８■そして海側から川や堀を順次歩き遡ると、ぐるりと回って流れている庄内川と水路や水門で繋がっていることを、体を介して土地とその歴史を知り、水を介して自らを知る。結果としてこの土地をより好きになり、自らの内にある広大な未知の領域を楽しみながら歩いていく。他者には妄想でも問題ない。

■９■何か特別なことをやっていると思い込むことの危うさ。そして自分のやっていることに意味がないと考える愚かさ。要するに下手な考え休むに似たりということだ。しかも歩いていれば休めない。考えるだけと、歩くだけと、考えてから歩くのと、歩きながら考えるのと、考えもせず歩きもしないことと。

20241211 Wednesday