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■１■27時に目が覚めたので、28時30分まで原稿をまとめ、準備して家を出たのが29時20分。御器所発29時32分に乗り、伏見で東山線に乗り換えて、中村公園に29時56分に着いた｡これは日界を午前６時とする30時間制表記法だ。｢列車の終着は25時05分｣とか｢ドバイからの試合中継は27時開始｣等というあれだ。

■２■海外では殆どがam、pmを付けた12時間なので、一部を除いてはまず使わない。つまりかなり日本独特の表現だということだ。今日はギリ30時前に着いたので使ってみたかったのだが、既に夜間歩行でなく昼行歩行に移行しているし、そもそも前日から起き続けてはいないので、この表記は戯れに過ぎない。

■３■さて中村公園で降りてから､太閤通りを1.8km西進すると庄内川に出る。そこに架かる新大正橋を渡り切り、振り返ると日の出前の朝焼け空だった。何となく自分自身も薄茜色に染まりながら、河川敷に下りて下流に向かう。川は領界で橋は２つの領域を繋ぐもの。こちらが大治町で向こう岸が名古屋市だ。

■４■グーグルで調べた画像では工事中だった護岸整備も終わっていて、刻々変わる東雲と空の色を映す庄内川の水面を眺めつつ快適に歩く。朝釣りをしている若者のシルエットが綺麗だ。360度が薄茜の外世界に日が昇る。360度の内世界にも日は差し込んで来る｡夜と昼との時の領界を超えて720度の朝が来る。

■５■川を跨いで来た送電線がしばし此岸にまといついた後、突然堤防を越えて町の方に離れていく。遥か彼方のビルの窓が橙色の光を反射している。名古屋高速５号線と一般道が２階建ての万場大橋を渡って名古屋側に戻る。大きく蛇行する川岸に黄色い横井大橋が表れたが、そのまま橋をくぐって先に進む。

■６■関西本線と近鉄名古屋線が川を跨いでいる。通勤通学の時間帯に入っているからか、多くの列車が通過していく。ゆったり楽しみながら歩いて来たが５前７時20分、ついに今日の河畔歩行の終点である新前田橋のたもとに到着する。名残惜しみつつまた明日と挨拶し、1.7km東の東山線の高畑駅に向かう。

■７■そうか、この通りは八熊通りなのか。だったら隣りのあおなみ線荒子駅の先を更にずーっと東に進めば、御器所の隣の桜山交差点まで繋がっているのか。こうやって脳内の地図がどんどん現地と繋がり広がって行くのは楽しい。東京の八王子に数年住んでいたので、途中にあった八王子町につい反応する。

■８■駅の洗面所でゆっくり着替えて７時58分発に乗車。始発駅なので余裕で座れた。途中、名古屋－伏見間のラッシュアワーは２分間隔という日本でも有数の高頻度運行路線のヤバさなので、名古屋駅で桜通線に乗り換えて無事御器所に帰還した。無人世界と超過密人間界の振れ幅を体験する時なのだろうか。

20241204 Wednesday