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■１■６時24分、東に向かって歩き始める。今日は先ず歩いてから地下鉄が戻ってくるというパターンで、桜の名所として名高い山崎川の川岸を下流に向って歩くことにした。日の出前の静寂の中、ひとり歩く。多分最近の自分は無意識の内に水辺を歩くことを求めている。微妙なる後頭部痛と背筋付近の腰痛。

■２■山崎川は綺麗に整備された川で、両側に何キロも桜並木が並んでいるが、今は葉も全て散り枯木立ちだ。南に流れる川は瑞穂運動場で南西に流れを変え、最終的には昨日も見た名古屋港傍で海に繋がっている。日が昇った。両岸を散歩する人やランニングの人や犬の散歩の人達で、だんだん賑わってくる。

■３■スマホの調子が悪く機能しないことに気づくがまあいいか。年配者数人が雑談しながらゆっくり散歩している。ハイペースのランナーが追い越す。左右田橋まで来ると、そこから山崎川は南西に向きを変えるのだが、リクリエーション広場とパロマ野球場が工事中で、川岸を離れて大きく迂回させられた。

■４■水野英子の｢川のむこうの家｣という短編をふと思い出す。日々視力が落ちていく少年が川向こうの小さな家(実は娼家)の女性が気にかかる。彼はやがて失明前に有り金をかき集めて会いに行く。憧れとは違い、疲れ老いている容貌。しかしその眼だけは美しく…。失明後少年はそれを詩に書き続けるのだ。

(※)1975年ビックコミック掲載。

■５■この辺りはずっと護岸工事も続いており、川面の美しさを堪能するには程遠い。川を山手グリーンロードが渡る可和名橋まで来ると、通勤通学の人達がぐんと増える。ラグビー場の端にある山下橋を抜け落合橋まで来ると、通りに通勤通学で人達がなりの足早で駅に向かっている。朝のラッシュアワーだ。

■６■人の流れに圧倒されて階段を降り、そのまま改札に入りそうなのを堪えて、着替えのための洗面所を探す。どうにか着替えて改札に入るが、人波に押し流されて名城線のホームに連れていかれた。慌てて戻り１階下層の桜通線ホームに辿り着く。自分が随分と人間の日常から外れている事実に驚かされる。

■７■早朝歩行から帰ってきて、朝風呂に入る前に体重を測ってみた。62kg。若い時のベストの体重だ。ここのところ何年も65kgだった。身長が175cmだから、まあそんなものかと思っていたけれど、道歩きの成果だろうか。じじばばが歳を取ると縮んで小さくなるけれど、まだその類いではないと捉えている。

■８■コロナ狂騒曲以来、外出を控えていたのが１日数キロ必ず早足で歩くようになり、たるみ分が削げ落ちてきた。歩行後の空腹感も健康なものだろう。いやとにかく朝飯を食べよう。意識的に体の各部を丁寧に見詰めると、下方から足腰は随分としっかりしてきた。次はこれを元に心肺機能を高めて行こう。

20241126 Tuesday