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■１■いつもスタート地点にしている｢御器所｣は<ごきそ>と読む。かつて熱田神宮の神領であり、神事に使用する土器を調進する場所だったので、この名を有している。４時13分、今日は愚妻に頼んで引っ張り出しておいてもらった冬物のジャンパーを羽織り、その二千年程の歴史を持つ熱田神宮を目指すのだ。

■２■阿由知通を南下して瑞穂区役所のある十字路を右折、あとは道なりに西進すればやがて熱田区に入り、熱田区神宮１丁目１番１号の熱田神宮に行きつくはずなのだ。体感温度７℃。風がなければもうこの温度には慣れた。桜山で既にジャンパーを脱ぐ。校門前で立ち話する人がいると思ったら銅像だった。

■３■高速をくぐり堀川を越えてＪＲを跨いだら、思ったより早く熱田神宮に着いた。神宮の森が暗い夜空と一体になって良く見えない。背中にかいた汗が冷えて寒いのでジャンパーを着直して、無人の商店街をしばらく歩く。熱田神宮は名古屋を代表する古社で、三種の神器の１つ｢草薙神剣｣が祀られている。

■４■東門そばの第二駐車場からエントリーすると、突然耳元でコケコッコーッと鳴き声がして驚いた。最初は録音かと思ったが、２度３度４度と鳴くので目を凝らすと、すぐ近くの立木の中に鶏がいた。後で調べたら当所には神の使いと言われる鶏が沢山いるとのこと。人に慣れていて、そして空を飛ぶのだ。

■５■宝物殿横を通り、二の鳥居三の鳥居をくぐって本宮へ。境内には既に少なからずの人達がいる。互いの距離を自然に保ちつつ静かに参拝している。東京の千駄ヶ谷在住時はよく明治神宮を散歩したものだが、熱田神宮の雰囲気は明治神宮と似ている。その後少し散策してから国道19号のある西門へ抜ける。

■６■この後は国道１号線に沿って進み、新幹線をくぐって地下鉄六番町駅から帰ろうと思っていたのだけれど、何か熱田神宮から離れたくない感じがした。ひつまぶしが絶品で人が絶えないな蓬莱軒本店の未明で無人の在りようを見たり、近所を巡ろうかとも思ったが、熱田神宮伝馬町駅から帰ることにした。

■７■名城線右回りに乗り、上前津で鶴舞線に乗り換える。ホームで待っていると赤色の列車が入ってきた。ああそうか、相互乗り入れの名鉄線直通豊田行きが走っているんだった。なお熱田神宮伝馬町駅からは、左回りで新瑞穂から桜通線に乗り換えても御器所に行ける。どちらがど早いかは時刻表次第だが。

■８■車中で今後は<歩き→電車>のパターンを反転して、<終電→歩き>で帰ってくるのもアリだなと考えた。さらに行動パターンを夜から昼に反転させると、<電車→歩き→電車>の動きもＯＫだ。人間界を光の中で見るのも吝かではない。歩き始めて今日で89日目か。百日目を過ぎたらパターン崩しも考ねば。

20241114 Thursday