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■１■今日はサッカーＷ杯アジア最終予選第３戦のサウジアラビア戦が、アウェイなので午前3:00～4:00は夜間歩行せずにDAZNで観戦した。２－０の結果に満足。今日は左膝内側の違和感も残るし、未明の街歩きはお休みのつもりだった。しかし勝利に興奮したままで何も手につかず、結局軽く歩くことにした。

■２■白み始める東の空に惹かれるように川名まで歩く。地下鉄の駅はもう動いている。広々とした川名公園を抜けると、斜め方向に真直ぐに伸びた未踏の道があった。どこに抜けるのか確かめたくて行ってみる。知った道に出るまで闇雲に進み見たことのある交差点に出る。すき屋のある鏡池２の信号だった。

■３■夜が明けていく。ちょうど30分歩いたから、来た道をそのまま戻って帰宅することにした。しかし明るい街並みは逆にいつもと勝手が違う。かなり歩いてから、曲がり角を間違ったらしくまた知らない道を歩いている自分に気づく。スマホで地図と現在地を見ればいいのに、何故か意地でもそれはしない。

■４■そんな意固地な自分が嫌いでない観察者の自分がいた。今日は絶対に走らないと決めていたけれど、よもやいつもより歩くとは想定していなかった。しかもアップダウンが結構ある。前から来た早朝散歩の老婆に道を譲ると「お早う御座います」と挨拶された。初めて挨拶されたあの夜と時空が繋がった。

■５■真っ暗で何もかも異質な夜の世界だったのに、挨拶１つで昼と繋がったように、明るい朝日の中の挨拶１つで、長い闇の夜がまた繋がった。信号を渡り来る初老のおばさんに朝の挨拶をしてみると、木霊のようにすぐ挨拶が返ってくる。たとえ習慣であったとしても人間同士の挨拶の親和力は素晴らしい。

■６■先ほどのサッカー中継を見たからだろう、高校時代のサッカー部の記憶が滲み出てきた。練習がきつすぎて部員がやめて行き、８人しかいなくなった時期があった。当時、試合は９人いれば成立したので、いつも試合だけ１人ヘルプを探し頼んでいた。それでも最初から退場者２名のハンデで試合開始だ。

■７■常に劣勢だからＧＫとしてのスキルは異様に上がった。大学でもサッカー部に入ったけれど、あまりに低レベルなので呆れてやめた。しかし体を動かす感覚はずっと残っている。思い返せば子供の頃は喘息持ちで、毎晩夜中に苦しくて目を覚まし、死の感覚がすぐそばにいた。それでも今まで生きている。

■８■おかげで今でも歩いている。朝日が路面に遠くまで伸ばした自分の影に驚いていると、あの最初に気になって歩き始めた、川名公園から斜めの道に出た。結局家に帰り着いたら１時間半歩いてほぼ１万歩だった。体と対話し内面を見詰めるのは、季節も巡ったし、真夜中でなくてもいいのかもとか考える。

20241011 TFriday