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■１■今夜は昨日一昨日の四角コースのバリエーション。夏用の薄手のＴシャツから初めてフード付きの白に変えた。外気温17度、体感温度16度。昨日と打って変わり、雨も降らず風もない未明の夜道が恵みのように思える。雨風を知ればこそ、普通の夜道が普通でなく有難い。苦楽あればこそ全てが楽となる。

■２■今日で59日目か。ちょうど月が２朔望したわけか。始めてから１朔望目のことを良く覚えている。人なのか物なのか物の怪なのか定まらない暗闇でくねり蠢くものたちの世界。暗く見分け難い夜中の景色は自分の内面の景色だと思っていた。昼の騒めき夜の静寂。木漏れ日とたゆたう暗黒。異世界探訪中。

■３■そんな意識のまま牛乳工場前を通りがかる。中で働く従業員が異生物のように思えた。背後から痩せマッチョな従業員人が、突然私に「お早う御座います」と挨拶した。その時世界がポンッとひっくり返った気がした。暗い街が昼間の人間界に重なった。夜の街を昼間と分断していたのは自分だったのだ。

■４■最初は夜の世界が昼と異なる次元だという感覚が新鮮だった。昼の学校は生徒の生命力で溢れているのに、深夜の校舎はとても不気味に感じられる。他者は異物で環境は異世界として見ていた自分に気づき、昼と夜が重なり転がる１つの輪だと気づかせてくれたあの一言。今思い返しても感謝に耐えない。

■５■鶴舞南交差点を左折すると居酒屋「三福」の看板が見える。よく見ると矢印があって、お店自体は少し引っ込んだ所にあった。八王子「三福」で二十歳の女将だった三枝ちゃんは今も元気だろうか。存命ならばもうお婆さんだ。1990年、刑事漫画の中で三枝三枝(さえぐさみえ)というキャラ出したっけな。

■６■バブル弾ける前の1980年代、神田神保町に小学館と集英社が隣り合わせであった。打ち合わせと称して編集担当と飲み食いしたり、取材と称して新宿３丁目の有名なオカマバーに行ったりした。帰りはいつもタクシーチケットでて吉祥寺まで帰った。失われた30余年と言われる時代前のいい記憶しかない。

■７■深夜も開いているセルフのガソリンスタンド。社会情勢で毎日ガソリンの値段が違っている。まとめ買いして保存するのも法律で禁じられているし、品質も変わると説明する。そういうものだとして従う必要がない運転できない者として、現今の経済システムの根本的なところに違和感と理不尽を感じる。

■８■雨降って爺ぃ固まる。左膝の違和感を無視せずに、今日も走りは自禁すること。しかし体が温まると違和感も薄れるので、つい両手を振り回して足早になり息が上がる。己れのせっかちさに気づく。無理はしないこと。明日の３時はサッカーＷ杯最終予選の試合があるので、流石に夜間歩行をずらさねば。

20241010 Thursday