■１■なぜ真夜中の３時から歩くようになったのかはよく分からない。最初は夏の暑さを避けて日が昇る前に歩き、夜明けの日差し前に戻るルーティーンだったが、知らず知らず前倒しになり、気づいたら午前２時台に目が覚め、３時に歩き出すようになっていた。老化現象よりは、丑寅ルーティーン案を採用。
■２■名古屋の多くの道は真っ直ぐで広く、市街地の十字路から見ると道が四方に真っ直ぐ伸びている。しかも主要幹線でなければ車は殆ど走っていない。横断歩道も信号を無視して無理なく渡れる。夜道を歩くと静かなので耳がより敏感になる。そして目は目の端だろうと視界の中の動くものに良く反応する。
■３■まずはとにかく道なりに真っ直ぐ30分ほど歩き、どこまで行けるかの確認から始まった。車が来ないので歩道や路肩でなく、車道の平らなところを歩く。歩道は門前だったり道路工事で段差があったりで、夜は特に車道より歩きづらい。それでも日本の道路は手抜きが見当たらず、驚くほど平らで美しい。
■４■３時〜４時に一番見かけるのは新聞配達の人達だ。数人で配達の準備している新聞店があちこちにあり、自転車やバイクで配達している人たちをあちこちで見かける。そして見かけるのが猫の集会だ。まだ今でも各所で存在している。仔猫もいる。毎日だ。だが雨の降りそうな未明は猫の姿を見かけない。
■５■あと必ず見かけるのがごみ収集車だ。最初はこんなにあちこち回っているのかと思ったが、車体に付いている車体番号を見るとみんな異なっている。むしろどれだけ多くの車両が動いてくれているのかに驚いた。最近では裏通りでごみの残臭に気づくと、ああこの辺はもう収集されたのだなと勝手に思う。
■６■御器所界隈は住宅地なので深夜は静かだが、今池や金山や久屋大通界隈は繁華街なので夜中でも少なからずの人を見かける。帰宅する水商売系の女性グループや帰れなかった若いカップルもいれば、コンビニやスーパーに商品搬入する運搬車のドライバー。そして道路で倒れ込んで爆睡している酔っ払い。
■７■確かに自分の体を使って深夜過ぎの間中を移動しているのだけれど、どうしても何か別次元の空間を３Ｄモニター越しに見ているような非親和感がある。朝夕は「誰そ彼」時だが、深夜は「何そそれ」時で、離れて見える怪しい影が物なのか人なのか錯覚なのか分からなくて、ついじーっと見詰めている。
20241003
Thursday
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