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　　ガンマ黄銅クラスター(四重星)　　　　　　　　　　　ピアースクラスター　　　　　　

■１■正20面体４つが相互貫通しあい、その中心で１つの正４面体を４重に共有する構造が｢四重星｣であり、ナノスケールの<ガンマ黄銅クラスター>だった。同様に正20面体４つが相互貫通することなく接し合うことで、その中心に正４面体の空洞ができる結合の構造形は<ピアーズクラスター>と呼ばれている。

■２■｢星の種｣(小星形12面体)の頂点を結ぶと正20面体になる。前回はこの星の種４つを相互貫通させることで、１／φ(0.618…)サイズの｢四重星｣を作った。今回は同様に４つの｢星の種｣を組み合わせることで、上述の<ピアースクラスター>を作ってみようと思う。使用するベビー綿棒は(30×４＝)120本だ。

正20面体４つからの｢四重星｣　　　　　　　　　　　星の種４つからの｢四重星｣　

■３■全体は明らかに｢四重星｣よりは大きくなるはずだが、細部イメージが分からない。しかし実際に１度見切り発車で制作しながら、問題が起きたら途中で随時修正していくのが結局一番の早道だろう。１度プロトタイプを作ってしまえば、それを見ながら色や本数や細部接続を確認して確定版が製作できる。

■４■ただ構造を確認するだけなら無着色のままの120本から星の種を４つ作り、それらを接合するだけでも良さそうだが、４色の星の種からなる｢四重星｣と並べて比較するためにも、改めてベビー綿棒を30本ずつ蛍光ペンで４色に着色し、４色の星の種が結合した<ピアーズクラスター>制作にトライしてみた。

■５■取り敢えず星の種を４つ作り、｢四重星｣構造に接続して最初に分かったことは、全体の中で以下のようなことだ。

(1)３つの星の種が共有する頂点は４つあり、辺長比が１／φの正４面体の頂点　の位置に来る。またそれぞれ１点に15本の綿棒が集まっている。
(2)２つの星の種が共有する頂点は６つあり、辺長比が１の正８面体の頂点の位　置に来る。またそれぞれ１点に10本の綿棒が集まっている。
(3)それぞれの星の種の12個の頂点は、３色が共有する点が３つ、２色が共有す　る点が３つで、残る６点は単色で５本の綿棒が集まっている。

■６■正20面体の２面角は138.2度であり、正４面体の２面角は70.5度なので、中心の正４面体とそれに接する２つの正20面体の合計は346.9度で360度に対して約13度の隙間ができる。またそれぞれの頂点には５本・10本・15本のの綿棒頂点が集まるので巨大化し、４つの星の種の間にはギャッブが生じている。

(※)正確には138.189685×２＋70.5287794＝346.9081494だから、360度とのギャップは13.0912506度。

■７■そこで中心の１辺１／φの正４面体の各頂点に集まる15本の綿棒の頂点部分を少しカットして全体を中心に向けて圧縮することで、４つの星の種の各頂点同士が上手く結合するようにした。結果としてできた綿棒立体は多胞体なので、見つめ続けると１本の線が多数の多面体と接していることが分かる。

20240803 Saturday