44-069

■１■思考・論理・知性が最高最善とは思わない。何千年も掛けてそれは今まで良くやってきたし、今後もそれ相当の役割はあるはずだ。しかし思考は出遅れる。時間が掛かる。比喩的に言えば光速を超えられない。思考主体が直観を思考と分離する時、既得権益的な思考パターンにが未知なる未来を回避する。

■２■未来の自分自身から来る直観を、自己が過去に犯した判断ミスへの悔いや激情が導いた悲惨な状況記憶が正しく受け止められない。本当はその双方を瞬時に見分ける力があるはずなのに。過去の総体である現今という思考だけでは、未知なる未来からもやって来る未来の思考そのものを信頼できないのだ。

■３■現行の宗教は全て過去から来ている。未来を信頼していないのだ。刻一刻遭遇する未知を既存の聖言や教文や諺に当て嵌めなければ動けなくなる。等価でなくて良いが世界観は最低でも２つ欲しい。複数を持つ人は優美だ。選択肢に笑い・高揚感・美があるなら、その道筋は間違いなく未来へ通じている。

■４■運動や芸術の技や基本が意識的反復により進歩し、無意識領域に定着するように、脳神経や身体各部位が生み出している無意識の生命維持と進歩の回路を、意識と共に能動的に書き変える。言語とはそもそも、この無意識と意識を繋ぐためのものでもあるのではないか。口にした言葉の中に未来を見出す。

■５■他者の言葉を瞬時に聞き取れる不思議。自らの思考を同時に口にすることができる不思議。それは単なる脊髄反射とは別ルートだ。自らの言語化により気づくことも少なくない。他ならぬ自分自身の内にもある言語化以前の領域。畏怖し目を背けるのか、信頼し敬愛しつつ新たなる未来を創発しゆくのか。

■６■反転には必ず逆反転が伴っている。360度の回転として捉えられるスピン１は半転として捉えられ、720度回転して対称性を取り戻すと表現されるスピン１／２は360度回転とその背後での逆回転の360度を合わせての全転とも解される。ものごとの背後には必ず逆の動きがある。未見でも想定見はできる。

■７■自己他者問題は常に２値でなく４値で捉えたい。そこに４人称が見て取れる。正４面体を幾何学的に把握できれば、その４点に私とあなたと互いの半神をプロットできる。比喩ではなくどの１点も残る３点に支えられている。点－点の関係は６本の線。３点の関係は４つの面・４即１の重心はまた外接球。

20240629 Saturday