■１■かつて自らの人生を、自身が作者でもあり、編集者でもあり、読者でもあり、評論家でもあるというスタンスでのメタ漫画として創出して生きようと綴ったことがあった。石丸伸二氏は今それをやってくれている。しかも連載中でしか味わえない現在進行形の味わい。楽しみましょうと彼は言う。楽しい。
■２■私達人間の生存戦略の１つに、状況や環境が与える苦痛が余りにも厳しい時、自らの意識を冬眠させて疑似的に世界と不二になるスキルがある。当人にしか分からないその苦痛も知らずに、その態を無為無言となじることは誰にもできない。ただ意識の麻痺化が常態になると、環社会の自己家畜化になる。
■３■視野狭窄が始まっていると自覚できるなら富士山を見よう。世界狭窄のタガが自覚できていなくても、バーチャルやＡＩの生成画像でなく、明らかに周囲とは遠近法が狂っていると身体で感じることで、それまでの自分自身からはみ出せる。他者の中にも富士山を見れるし、自分自身が富士山にもなれる。
■４■空想と機械技術を尽くして幸福と知識を与えるという東京ディズニーランド。この千葉県浦安市にある夢と冒険の施設からも富士山は見える。仮想現実や都会の喧騒を否定も肯定もせず、様々な次元を貫いてそこにある。如何に世間に揉まれ浮かれ騒ごうとも、その佇まいを見るだけで正気を取り戻せる。
(※)画像２は「じゃらんネット」より借用加工。
20240527
Thursday
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