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■１■今はもうほぼ死語だが、昭和の昔｢とっちゃん坊や｣という言葉があった。行動や態度などに子供っぽい部分がある大人の男性を指す。基本的に蔑視的に用いられ、女性には当てはまらない。性差問題は今は扱わず、令和の今は新たに｢じっちゃん坊や｣を自称しよう。敬愛されていると妄想する微妙な耄碌爺ぃだ。

■２■いつまでも時代の最前線で頑張っていると勘違いし続けていて、いつのまにか己の中の謙虚さを傲慢で駆逐してしまい、権威にすがる老醜からは外れているものの、眼前の諸事に対してほぼ無意識に根拠のない批判的ものいいを垂れ流し、それでも一応若い頃の懸命さを失念せずに必死に生きているオタク。

■３■じっちゃん坊やは時として、日本人なら当たり前すぎて注目しないものを、改めて初めての２度目として見詰めることがある。外国人が日本人なら目も向けないような様々なことに驚き、感動し、恍惚とするように、雑草の小花や並木の新緑や平凡な街角の佇まいに眼を奪われ、美と秩序と思いやりを見出す。

■４■海外から始めて訪れる人の視座で日本の日常を眺められるなら、様々な不満や不平を感じられること自体すらも幸せでうらやましい現実であることに気が付ける。日本人でありながらそれをはみ出す視座が少しでも持てるならば、今ここで生きていることを無理に自画自賛することもなく穏やかに味わえる。

■５■卑下も自惚れも混入していい。自らの身の回りを地獄のように扱うならば、天国のように眺め見ることもできなければもったいない。心の平静や無心の境地に行く前に、無知は罪と声荒げたり見栄や酔狂で己を飾り立てることもなく、世界の優しい無関心にも気づき、自己洗脳で洗脳を解除する気概で至福に。

20240518 Saturday