■１■街中を歩きながら行き交う人々の在りようを見て｢元気で！｣とか｢健やかに！｣とか｢頑張って！｣とか心から思える意識状態であるとは限らない。いやむしろそうでない方が普通だ。しかしそのような意識状態の記憶やその想起の頻度数が、自他の世界を変えて行くと断言するのは愚かでも楽しいことだ。
■２■他者を見ることと自分自身を見ることとが全くの別ごとでなく、むしろ逆に分かち難く一つのものごとの異なる部分として捉える視座もあることに気が付けば、世界と自分を見る視座が優しくなる。それのみが真理だと騒ぎ立てることもなく、世界の自分と自分の世界を見る自分を見る自分は面白い。
■３■時間の幾何学でホロニックと表現する、比率による時の伸び縮み。ある程度歳を取り、遥か昔の誰からも見放されて独り切りだと落ち込んでいたことを想起したら、その記憶の中の自分自身に「大丈夫だ、私自身は決して見捨てたりはしないから」と囁いてみる。それは直観として閃くのではないか。
■４■その時上手くいかないと思っていたことが、今に続く新しい道筋を開いたとも考えられる今がある。生命力が落ちている過去の自分を励ます。誰にも自分の知らない未知なる世界がある。過去の自分には未知である今の自分が時を超えて元気づけ、励まし、活力を与えることで、未来からそれを得る。
■５■過去の自分を本当に元気づけられる自分がいるとしたら、未来の自分が今の自分を健やかなれと寿いでいないと断言できようか。辛そうな他者の傍らで何もできないとしても、意識だけでもすぐ傍に寄り添えるならば、未知なる人達の思いが自分を包んでいると感謝することを妄想と断言できようか。
■６■時間の幾何学でも空間の幾何学でも｢自我｣は大事だ。自我を否定する必要は全くない。ホロンとフラクタルの比と構造を辿り繋がろうとする時、邪魔にならないよう自我も自然に縮小して傍に寄り添うことができる。時には神に対して｢謝れ！｣と叫ぶことさえ､世界への逆恨みを超えて自らを更新する。
■７■日々のエネルギーの無駄使い。その日その時の時間つぶしや退屈しのぎに惰性的に見るニュースやゴシップ。しかしそれも否定は不要だ。無意味ではなく、気分転換や新発想の元探しにも通じる贅沢と意識していれば問題はない。外部消費ゲームに取り込まれずにその後何をどうするかがあればよい。
20240510
Friday
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