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■１■殆どの論理や思考は、それを展開し表現する言葉自体への敬意と探究が欠落している。｢なぜそう考えるのか｣を考えることや、｢なぜそう考えるのか｣全体のなぜを問わない。常にそれをすると混乱して現実生活が送れないからだが、適度にそれをしないと現実世界が現実でなくなり果てるのが現実なのだ。

■２■思考や論理の展開の自動機械的な言語化や、それらの高速な組み合わせや自然湧出される文字列や単語の組み合わせなど、その一番大事な過程に無頓着なケースが実に多い。語る物語の殆どが個人の経験と超個の莫大な情報からの自動生成である人(否定ではない)は、敢えて言語化しない意識時間も時に必要。

■３■適当な画像や動画に適当な音楽や文字列を乗せても、それなりの意味や形が生じる。全くの無意味であることはない。別個だったものの重なりが新しい意味を生じると、その意味や印象が殆ど<適当>な組み合わせを<適切>そして<必然>に変える視座が生じる。視座が変えるのでなく視座が変わったのだけれど。

■４■既存の言葉に新しい意味や価値や記号を乗せる時は、その言葉自体や今までそれを用いて来た多くの人たちへの敬意と配慮が必要だ。｢宇宙全体の重みを乗せてそれを成す｣と語る詩人の生きざまに憧れつつ、その本意と優しさに気づかずに世界を語る者の言葉は軽くて薄く分かりにくい。言葉への敬愛あれ。

■５■言語を語る者の言語の重軽は、それを聞く者の才覚にもよる。言語への造詣が深いだけでなく、言語そのものへの慈しみと感謝が滲み出るようなもの言いでも知れることがある。言葉を発する時その言葉自身を深く吟味しながら語るのは至難の業だ。しかしそこに日々の捉え方や探究姿勢は確実に見て取れる。

■６■日本語を上手く用いられる者が日本人。日本語がうまく機能するのが日本語の言語空間。では未言語使いの赤ん坊や失語失念痴呆症は非日本人？否定しなくても本意は異なるところにあると分かるはず。既存の時間概念を否定せず軽く超え、人として人になりゆくように、日本人として日本人になり行くのだ。

20240109 Tuesday