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■１■１枚の写真。窓辺でそれぞれの爪研ぎ皿に収まり、陽光の中で眠る３匹の猫の画像。左右に童を従えた聖徳太子の図を連想した。直後にこの真ん中のキジ猫白はもういないのだという事実に気づく。無意識にせき止めていた思いが溢れ出る。個人的な哀しみを超えて他者と共有できる豊かな心の色合いを想う。

■２■自らが今為していることを、誰かが引かなきゃならない頑張りどころの「貧乏くじ」ととして見ることと、誰にも変わり得ない自らが選択した「特等席」と見ることとでは、世界は全く違ったものとして捉えられるのだろうけれど、それでも同じものとして捉え得る視座を辺境なれど自らの内に置く贅沢さ。

■３■泣きながらでも笑いながらでも世界を肯定し、人間として意味あるものと捉え、そこに自ら能動的に価値を帯与する道筋を進みたい。それもまた自らの志向と嗜好の結果だと知りつつ、他者に壊滅的な被害を及ぼすような妄想や誤認識の自戒に極力余念なきように努めながら、世界から光と笑いを拾い生きる。

■４■世界を凄惨極まりない地獄と見る世界観も、悟った視座から諸行無常と見る冷めた境域とする捉え方も、敢えて深刻に考えないお花畑の色香に咽ながら楽天的な片岡から楽しむ景色も、多胞体内の１つの多面体のある１面から覗き込む、贅沢で豊穣なものの見方として、極力等距離から好嫌を超えて眺めたい。

■５■数値自体は比喩的表現だが、己れの身体を駆け巡り世界に反映して見える自らの世界の現実と真実に思考や情緒すらも添えて、99％の圧倒的な肯定と信頼を置きながら、同時に１％の疑念と恐怖を途絶えることなく大事に抱えつつ、青二才過ぎる精神と漏衰気味の身体でかそけき至福と温もりを感じて生きる。

■６■言葉に惑わされ過ぎずに惑わされながら、言葉そのものの本質に向かう道筋を模索しながら、このある意味絶対的なアドバンテージがある超越的な日本語空間の中で、意識できないところのものを意識できないふりをしながら意識しようとする、自分自身への信頼ゆえの楽しい騙し合いで、今日も暮れて行く。

20240108 Monday