METATRONIC METALOGUE 15

031『ゴジラ-1.0』と戦後79年と黄金の国

■１■『ゴジラ-1.0』が全米はおろか世界各地で物凄い評価を得ている。東宝の世界戦略、ハリウッドのポリコレと制作収入の高騰とストのおかげ、斬新で高度なVFX、世界大戦後の特攻の生残りの苦悩と新生への共感など、様々に分析されているが、初代『ゴジラ』と同年代の自分には、何か身体感覚も在る。

■２■ゴジラ生誕70周年記念作品として、初代と同じ11月３日に初公開されたが、数えでなく満で正確に言えば70周年とはもうすぐ来る来年だ。そして来年は第２次世界大戦の終戦から数えて79年に当たる。原子番号78はプラチナ(白金)であり、79は金だ。ユダヤは鉄、日本は金。本当の戦後が終わると強く思う。

■３■来年は『ゴジラ-1.0/C』(ゴジラマイナスワン／マイナスカラー）が上映される。単にカラーを白黒にするのではなく、隅々まで再編集されるはずだ。機を合わせて1954年半の元祖『ゴジラ』のカラー化版も制作中とかで、その部分も見た。時間と在りようの交換は実質双方が４値になる。−∞でも生きる。

■４■あと同じく全米大ヒット中の宮崎駿の『君たちはどう生きるか』も重なる。冒頭の大火は先の大戦の空襲等とも重なり、日本人が想起する戦後とはまた異なった視座からの、戦後の心情への共感。本当にタイミングとして現今の日本まで引きずってきた戦後を、来年は新しく反転する時になるのではないか。

■５■それから庵野さんの『シン・ゴジラ』を超えたとか、どちらが良いかとか言う話がさほど上がらずにここまで来ているのは、この２つのゴジラ映画が、そして監督のキャラクターとしても、両極端の双方があって相補的に１つとして受け取れるからと捉えている。どちらかでなくどちらも、そしてそれ以上。

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(※)画像は全て 映画『ゴジラ-1.0』公式サイト より借用・加工。

20231224 Sunday

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