■森の中で木が倒れる。その音を聞く者はいない。音がしないからでなく、それを聞く耳が無いからだ。生きている者は振動する。世界は振動に満ちている。生者は音を出す。そして音を聞く耳がある。それがなくなった時(絶対０度・熱的死)世界は止まる。或いはそれが聞こえなくなった時その命が尽きる。
■私達は日々生きている。１人でも集団でも。片方だけでは生きていけない。誰もが皆異なる自我を持ち、異なる生き方をしている。しかし様々に個体差があるけれどバラバラではない。コミュニケーションが取れるのは、世界を把握する共通のカタチ、つまり同じ機能･同じ構造･同じパターンがあるからだ。簡単を解明する難解な作業。
■単音の音高や音質は瞬時に分かるが旋律を捉えるには時間が必要になる。音と音の間に旋律が生まれ情が溢れ出る。時と時間、人と人間、時と時間、空と空間、世と世間。欧米の言語は、自己のこちらと他者のあちら、そして謎のどちらがある。日本語には個々の間にそちらというベシカパイシス領域がある。
■差異と相似。差異を知るには相似が必要であり、相似を知るには差異が必要だ。自己を知るには他者が必要だし、他者を知るには自己が必要だ。差異の背後にある相同。自らの内なる未知を既知にしていく作業。自らの未知と既知が出会う身体。否定ばかりしている者の言動は、助けを求める絶叫に聞こえる。
■同じ形･同じ数･同じ色･同じ音でつながる物事に目を向けられるのは、私たちもまたこの地球で繋がり、血･地･知･値の４値で生きているから。私たちはそれでも今ただその中で揉まれ足掻くだけでなく、それらを内だけでなく、その外からも見る視座を探究解明できるということ。地獄極楽は二而不二。
■モスキート音。大人が子供の自由を規制しようとして、不嫌や苦痛を伴う発音機器を使う。赤ん坊や子供、そして犬猫のような動物もその不快感を味わうが、大人は聞こえない。音に限らず自らは知らぬまま加害者になる可能性を自覚すべき。ちなみに動物駆除や総騒防止名目のこの機械に規制はまだない。 2023.11.17 Friday |
