■「タルパとは何か？」を明確に説明できる者は未だいないだろう。チベット語のトゥルパ(化身・応身)やサンスクリット語のニルミタ（変化・化現・化成・化作）から来ていると思われるが、仏教的解釈や、西洋人の誤解のある解釈を介し、現在ネット上で若者たちの間で話題のタルパとは多大な差異がある。
■現在多くのウェブサイトで取り上げられているタルパは、人間が「無」から作り出す「人工未知霊体」とも表現される。否定的に言えば「妄想の延長線」のものである。妄想を脳内でなく実空間に居るように強く細部に渡り想像し、意識しエネルギーを注ぎ込み続けることで、当人の妄想が現実の存在となる。
■そもそも古来から最終的には幻想であるとされるトゥルパとは一線を画すべきだと思われる現代風のタルパは、人間の脳や意識の未解明の領域の可能性とも関係があると考えられるが、幼少期のイマジナリーフレンド（見えないお友達）的なものの再構築や、守護霊や指導霊的解釈とも相似形のところがある。
■宇宙人や霊的存在との交信や、呪術的な自分だけのメディスンアニマル、ＡＩの人工知能育成にも似た脳内の言存在の教育育成、自動書記タイプの相手から、マンガで言えばジョジョのスタンド的なものまで、脳の多層的パーティーション解釈も含め、個々人の等身大の理解や解釈と重なる部分もあるだろう。
■今流行りのタルパは『無』から『有』を作り出す技術で、誰にでもその素質はあると考えられている。タルパ作成までの期間は、個人差はあるが一週間から数年。全知全能じゃないので自分が知らないことはタルパも知らないが、自分とタルパで多重思考して、効率良く記憶に落とし込め、かつ想起もできる。
■タルパは物質に干渉はできない。また自分自身にだけ知覚できるもので、他人にはその存在を認識できない。思い込みの激しい人ほど早く創りやすく、現実主義ほど創りにくい。自問自答がタルパの作成に役立つという。タルパとの関係性は自分で決定できるが、それは一生涯続くので添い遂げる覚悟が必要。
■タルパは無意識に沈み込んでいる自分の情緒や情動、忘却している記憶や知識を知っているかもしれない。自分の知らないことは教えてくれないが、自分が忘れている過去や知識やアイデアは教えてくれる。自らの姿勢によって、安定もするし不安定も生もう。その作り方についてはここでは詳しく述べない。
■今風のタルパ作成に関しては、精神病の誘発や意識の暴走状態に陥る危険性が示唆されているからだ。未だ情報が不足している状況で、明確な回避法や解決法はない。中途半端な知識でタルパを創るのは大変危険で、精神の乗っ取り、統合失調、多重人格、暴走その他さまざまな精神障害にも繋がりかねない。
2019.01.03
Thursday 041
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