両手の中で死んだ猫たち
最後に一度強く痙攣して
一声鳴いて逝った猫たち
思い出すたび胸締め付けられる
でもそれらへの慈しみを思えば
今も支えてくれる力積を感じる
未知を信頼し新しい道筋を作る
真や善や美や正義のためでなく
先ずは自身の生きる道標として
思い出すたび方向性を確認する
物事に新しい意味を見い出して
執着を創造に転換して前進する
箱に詰め花に埋め灯点し
他の猫たちと見詰めてた
無言で土中に埋葬した朝
自らの憤怒や悲哀を否定せずに
人間としてそれを味わい尽くし
自らの愚かさを生き切ってみる
日々のニュースの99.9％は不要
娯楽も鍛錬も自力で作り出せる
配信情報から一分の理を汲取る
小奇麗な生き方は放棄してみた
小洒落た思考は軟弱非力すぎる
自らの目と耳で見聞する大切さ
今日もまた猫餌鞄に入れ
街中の一期一会に備える
今年生まれの子猫が走る
一匹残らず猫が好きと宣言した
無知蒙昧で狭量なひとりよがり
いつもそこにいてくれて有難う
名付けられる前のそれで生きる
名前と言葉無きものも共にある
猫という名前で呼んでみた人間
夕立後の町並みの淡紅い仄合い
水溜りの中の秋空の色と白い雲
その名に合わせ群れ咲く彼岸花
今日もまたＰＣ鞄に入れ
公園抜け図書館に向かう
場の地・猫の血・人の知
次元両生類は双世界を共に見る
見えるものと見えないもの四つ
四つの物語は２×２かつ３＋１
猫のように人を愛せたらいいと
思っていたけど猫も人間だった
人間を味わい尽くして先に行く
何も確定していないから面白い
それでも未知を信頼し敬愛して
力と方向性を抱えて歩を進める
シュレディンガーの猫も
どの道とうに死んでいる
亡霊物語は終わりの時だ
時は巡り未来も変え得る
この至福に満ちた身体で
この一人称は未来を開く
風に揺れる白猫の長い髭
まだ余命ある一匹として
この一人称は未来を開く
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2018.09.27
Thursday
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