#103　自他の繊細な部分に対して優しく強く

■１■未だ収拾の気配すら見せていない今回の諸騒動の中で、頭痛がしたり鼻血が出たり下痢になったり気力が減衰したりというような、非日常的な身体的諸現象は多分誰にでもあると思う。ない人はものすごく生命力と意志が強固な人か、自らの身体の細やかな反応やサインをくみ取れない鈍感な人なのかも。

■２■しかしそれが全て直接放射能の影響であると捉えるのは短絡に過ぎるのではないかと再思案するのも今は必要だろう。ジーザスの受難を想うだけで聖痕が出る様な人は極端すぎる例だけれど、各個人の身体の敏感な部分は放射能に対する私たちの不安や恐怖や嫌悪という共通意識にも反応しているだろう。

■３■これは目に見えない放射能というものを被曝しているのではないかという日々の不安や恐怖が、無意識領域で感受性の高いところで増幅したり、逆プラシーボ的に現れたりしているところもあると考える。それを見極めることは難しいが、自己内無意識風評には負けまいと心を強く持つことは重要である。

　　　

■４■鼻血が出たりリンパが腫れたり、不明確な不安に取りつかれたりする子供たちに対して、ただ自分でも理解できぬまま心的恐慌状態でヒステリックに放射能や為政者を罵ったりするだけでなく、周囲を共振増幅させぬよう自らの心の中の混乱のがれきを整理して和らげるだけでも少しは好転するのでは。

■５■もちろん全てが幻覚や自家中毒的な心的核分裂だと言うつもりは毛頭ない。悪しき体制や愚かな為政者は強く断罪されるべきだと思う。ただ周囲と自らの感受性の高い敏感なところへのケアとしても、自分自身の心身の生命力を信じ、大切かつ優しく扱い、希望と生き甲斐を創出しゆくことも怠るなかれ。

2011.06.13 Monday