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■茅葺き屋根の古民家が立ち並ぶ有名な内山宿は、南会津の湯野上温泉駅近在
がその観光のベースとなるのだが、その温泉宿は深く渓谷を刻んだ阿賀川沿い
に点在している。特に際立った大きなホテルはないのだが、国道 121号沿いに
少し離れた所に民宿が何件か軒を揃えた地域があり、そこに鈴木屋はあった。

この画像と次の画像（２つの内湯）は湯煙で撮影不可のため当宿のＨＰより借用。

■この宿は民宿にしては温泉設備が充実しているとの評判で、大きな内湯も、
午後11時で男女が切り換わってどちらにも入ることができる。後で知ったのだ
が、ここには珍しい砂風呂もあり、宿泊客は半額で入れたらしい。また３階の
屋上にある広い露天風呂は、空いていれば24時間いつでも貸し切りで入れる。

■温泉はもちろん源泉100％掛け流し｡ぐるりを囲った目隠しの塀もそう高くな
いので、高台の家からは見えてしまいそうなくらいだが、それより迫りくる秋
の紅葉真っ盛りの山を眺めながらの入浴感の方に軍配を上げたい。湯口近くは
熱過ぎるので対岸近くで冷え切った体を芯から温める。温泉大国日本万歳だ。

■食事付きでも充分安いのに、温泉目当ての素泊まりで予約したので、素泊ま
り税込み5900円が、折からのGoToキャンペーンでさらに半額に。泊まる部屋は
程良い６畳。窓が障子窓だけでカーテンがなかった。暖房はエアコンで問題な
いけれど。トイレと洗面所は共用。冷蔵庫なしだが、世界は十分冷えている。

■暗くなりかけて腹が減ってきたので、外に出て外食できるところを探すが、
このご時世で道沿いの食事処は大方閉まっており、空いていたところも６時過
ぎにはもう閉まっていた。夕食難民になりかけたが、地図でチェックしておい
た駅の近くのコンビニエンスストアーに駆け込む。ああコンビニの有難さよ。

■翌朝、すぐ近くの江川橋を途中まで渡ってみたら、眼下の深い谷底でブルト
ーザーが河岸を整備していた。その辺は昔入浴(※)した、四角いコンクリート
造りの無料露天風呂があったあたりだと気が付く。今はもうない。時の流れを
リニアルに辿って行く意識にとっては、その再交差の具合が不思議で面白い。

(※)2008年11月27日、湯野上温泉「共同露天風呂」

★所在地：〒969-5206 南会津郡下郷町大字湯野上字居平乙796
http://www.yunokamionsen.com/plan.html
Tel.0241-68-2408 http://www.yunokamionsen.com/
・源泉名：湯野上温泉中央貯湯槽(1,2,3,5,8号源泉)
・湧出地：福島県南会津郡下郷町大字湯野上字沼袋乙853番6(1)、857番(2)、830番2(3)、871番3(5)、833番2(8)／()の中は源泉番号
・泉温：57.2℃
・湧出量：毎分1130リットル(動力揚湯)
・泉質：単純泉
・pH：8.2
・知覚的試験：無色透明無味無臭
・成分総計：467.5mg/kg

人生丸ごと湯治日記（６３４）　20201112