＜函館は遠く、なぜか江差追分へ＞

　そして長万部の温泉に対する執着も未練も忘れたまま、車はひたすＪＲ函館本線とくんずほぐれつしながら、ひたすら海岸線を走行する。国道はいつしか５号線になっている。それにしても世界はいつも（…私はいつもいつも、かな）ストレートに目的を達成しそうになるけれど、直前で外してしまうことか。しかも悲惨なはずし方ではなく、必ず笑いを取ってのはずれなのだ。やれやれ…と言いながら、自分で自分を笑ってしまうしかないこの傾向性自体を、私ははたして笑って良いのか、それとも悪いのか？…もちろんそれすらも笑い飛ばすしかないのではあるけれど。

　５号線を「赤い流星号」は流れに詰まることもなく快調に飛ばし続ける。台風のおかげてかえっていつもよりここの車が少ないのではないのだろうか、台風っていいかも…などと思っていると、突然道路の掲示板が迂回路という文字を示していたような気がした。そして落部（おちべ）に入ると、「函館への迂回路」という掲示板と整理の人たちが見えた。どうもこの先がまだ台風によって寸断されたまま復旧していないらしい。

　美しいという印象があった大沼国定公園を通りぬけられないだけでなく、この半島を横断して一度日本海側に抜け、そこから再度津軽海峡側に山越えをするルートしかないということが分かる。るしえる兄ぃは多くの人が由仁から一気に函館まで１日で走行するより、途中で１泊してゆっくり行ったほうが良いですよと言われていたのに、あえて３００ｋｍ以上の走行をしようとしていたのだが、突然集中力が切れてしまった。

画像情報／上右：夕焼けに染まる江差方面の海岸。
　　　　　下左：ＪＲ江差駅に着いて時刻表を調べようとしたら４事半頃にはもう閉まっていた。認識不足だった。

とらしえじゃぱん点線記２−３１（２００１０９１２−３）

------------------------------------------------------