＜笑う長万部（おしゃまんべ）の浜チャンポン＞

　途中でだんだん空腹感がつのって来たが、このばかでかい噴火湾のちょうど真ん中あたりにある長万部までがまんすることにする。先日札幌のしぃさんが、長万部の国道沿いに「浜ちゃんぽん」というお店があり、そこを通るなら食べてみたらいいですよ」と言っていたのを思い出したからだ。長万部に入ったというのに、温泉の案内看板には目もくれずに、「浜ちゃんぽん」の看板を探す。それほど空腹だったのだ。コンビニのお姉さんに「道路の右側に赤か黄色の看板が出ています」と言われたので、ずっと目を皿うどんのように…ではなくチャンポンの看板を見逃さないように見開き続けていた。

　するとやがてばかでかい「浜ちゃん子ラーメン」という看板が見えてきた。速攻で車を止めてお店に入り、メニューに載っている「浜鍋ちゃんこラーメン」￥９００（塩味…他に味噌味あり）を注文する。「おかしいなあ、しぃさんったら名前を間違えてたんじゃん」と思いながら、出てきた大きなどんぶりの中を覗く。カニ、エビ、からす貝、小さなイカまるごと、ウニなどが入っていて、ライスのおまけも付いて何とお徳なのだろう、と満足しながら車に戻って、また函館方面に向けて車を走らせる。

　今食べたばかりのものを「うん、なかなかイケる」などと評価しながらしばらく行くと、道の右側に赤く大きい看板が見えてきた。通りしなにそれを読むと、「浜チャンポン」と書いてある。私は思わず「おいっ？」と声をあげてしまった。しかもその看板にはちゃんと「元祖」という文字までついているではないか。「こ、これっていわゆる＜ギリギリ偽物ではないコピー商品＞じゃーん！！うおおーっ、すまん、私が早とちりして間違えてしもーた！」と叫ぶと、るしえる兄ぃはにこにこしながら「まあ、ウニが入っていたからいいや。マル！」と言った。元祖にはウニが入っていないだろうというのが彼の推測である。その時私は、彼がウニ好きで本当に良かったと思った。

画像情報／上右：北海道の道はなぜかくも真っ直ぐなのか？ＵＳＡともまたちと違う味だ。
　　　　　下左：北海道でよく見かけた風景。謎の大タイヤは、牧草を束ねたものだと後で分かった。

とらしえじゃぱん点線記２−３０（２００１０９１２−２）

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