＜反転した戦争…同時多発のテロリズム＞

　午後１０時半頃だったが、ニュース画像でニューヨークの世界貿易センタービルから特撮映画のように多量の煙が上がっていた。そして２機目の追突画像ですというコメントと共に大きな飛行機が、さらに突き刺さる画像が映し出される。ツインビルの１棟に１機ずつ。どのような特撮画像の映画より迫力のある画像が繰り返し流され続け、割拠句のニュースキャスターが、その背景や現実に何が起こっているのかなどは理解できないまま、これまでの事実と公表された情報を繰り返している。

　さらにその後、３機目の旅客機がアメリカ国防総省（ペンタゴン）に突っ込んだというニュースが追い討ちをかける。離陸したての民間旅客機を乗っ取り、乗客を巻き込んで神風的特攻をしたようだ。後に貿易センタービルは２棟とも跡形もなく自己倒壊する。巻きこまれる多数の一般人と、救助活動に当たった消防士と警官たちに多数の犠牲者が出ているようだ。何かとてつもないことが始まるような予感…これは誰もがそれなりに感じているのではないだろうか。

　物理的・力学的な画像からは、ただ強烈なインパクトが伝わってきて、今までの世界的常識が通用しなくなってしまったという感覚を想起させられたが、その後に現地の人たちのさまざまなインタビューやコメントの画面を見るにつけ、人間としての悲しみや苦痛や行く先のない怒りなどが共振として伝わって来る。そして一方ではそのような動揺とショックを体内に感じながら、もう一方ではくつろいで温泉の中にまた浸かっている自分を思うにつけ、世界と自分・自分の中の世界的認識と個人的現状の多重性を感じるのであった。長い長い１日だった。

画像情報／上左：ユンニの湯の入り口から奥を見る。ウッディである。
　　　　　下右：ユンニの湯の内風呂から、外を見る。ピントが合っていないのではなく、これは湯煙。

とらしえじゃぱん点線記２−２８（２００１０９１１−５）

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