＜とらしえじゃぱん終幕＞

　ここでもまた共に幾何学的方向感覚認識の不得意そうな（？）ｌｕｌｕちゃんとるしえる兄ぃの携帯電話のやりとり漫才から再開を劇的にする演出もあった。しかしｌｕｌｕちゃんは本当にそこにいるだけで疲れや苦悩が無くなっていく類の謎の恩寵生物（？）であることを確認する。溺れるものは藁をも掴むというが、癒されたい、苦痛から逃れたいという人達からむしり取られるよりも早く生命エネルギーを与える体質の彼女は、それを自ら選択して生きている立派な人間存在だ。願わくばあとほんのわずかの眠りと、安らぎをｌｕｌｕちゃんに！（ほんのわずかな眠りをあげたからといって、それをラッキーとか言って読書に当てちゃダメだよ。ちゃんと眠ってね。）皆が皆、その自らの潜在と顕在の能力を自他のために快く用いられますように。そう願いつつ私は熱さと疲れにやられて、つい怠惰に蝕まれていくのであった。

　ルノー（ポルシェじゃなかったんだよね）は今日ぶっ壊れたとかで、代車に乗っていたｌｕｌｕちゃんに東名高速の入り口までエスコートされる。思い返せば「とらしえ」の今回の旅は、ここでｌｕｌｕちゃんに会ってから始まり、きんちゃんたちに会い、翌日来未さんと清子さんに会い…となっていったのだから、まるで巻き戻しを体験するようにして、最後に関東地方に向かうのであった。しかしすでにここのＪＯＭＯスタンドも初めて見たものとは全く別の存在に思える。赤い流星号はｌｕｌｕちゃんのエスコートを離れ、初日のようにビートルズをガンガンかけながら東名高速を東に向かうのであった。

　とらしえじゃぱんに次はあるのだろうか。この実験旅は各地の皆さんの本当に有り難いサポートと実行によって、成功したと思う。しかし次も同じことを同じようにこなしていくだけでは、さして意味がない。るしえる兄ぃには「みえない大学」というものをもっともっと煮詰めて、しっかりしたものにしていってもらわねばならない。その前にまず、ハードスケジュールのしわ寄せから悲鳴を上げそうになりつつも頑張ってきた体に休息をあげたいものだ。おっと、その前に無事安全に家まで帰りつかねばならないだろう。

　はたして「とらしえじゃぱん」はちゃんと家に帰りつくのであろうか。皆さん、天然愚直だけれど、結構一生懸命な彼らの無事帰還を祈ってやって下さい。おそらく今回闇雲に撒き散らした点と線が、それなりに面を持ち、立派な多面体として立ち上がるまで、彼らは家には帰り着けないものと思われます。そしてそれは巻き込まれた人たちにしても同じこと。本当の家に立派に帰り着く旅は、それぞれの人がそれぞれの方法で続けているわけです。願わくばその旅が道連れの旅人と共に安らかで幸多き行程でありますように。不肖トーラス、心からかように祈る次第なのであります。

(…ＴＯ　ＢＥ　ＣＯＮＴＩＮＵＥＤ？）

とらしえじゃぱん点線記１−２８（２００１０７０６−2）