<058> 菱形１２面体について

＜１＞菱形１２面体の３面図は、すべて「田」の字形になる。

＜２＞菱形１２面体だけで空間充填が可能である。

＜３＞菱形１２面体とベクトル平衡体の要素

　菱形１２面体の双対立体はベクトル平衡体である。したがって２４本ずつの線を直交させることで相貫体を作ることができる。下図はその「菱形１２面体とベクトル平衡体の相貫体」である。

【ベクトル平衡体の要素】
　・点…１２
　・線…２４
　・面…１４
　・２面角…１２５度１６分
　・中心角…６０度
　・１辺１の時の体積…２．３７

【菱形１２面体の要素】
　・点…１４
　・線…２４
　・面…１２
　・２面角…１２０度
　・菱形面の対角線の長さの比は１：√２
　・１辺１の時の体積…３．０７９２１
　・菱形面の角度は７０．５度と１０９．５度。

　１頂点に集まる面の角度は（１）１０９．５度が３つで３２８．５度（＝３６０−３１．５）、
（２）７０．５度が４つで２８２度 （＝３６０−７８）である。この（１）が８点、（２）が６点、合わせて１４点だが、その３６０度からの欠落角度の和は７２０度である。
　この８つの頂点における欠落角度の和２５２度と６つの頂点における欠落角度の和４６８度の比は７：１３である。

＜４＞菱形１２面体の泉からの切り出し

　正６面体と正８面体は双対立体である。この２者の相貫体の角錐部を全て取り払うとベクトル平衡体となり、逆に角錐の各頂点を結ぶと菱形１２面体になる。

　正６面体の頂点を最初の面が全てなくなるまで切頭化していくと正８面体になった。そして正６面体の線を最初の面が全てなくなるまで切頭化していくと、右図のように菱形１２面体となるのである。