 混迷する現在と不確実極まりない漠とした未来。過去の情報のほとんどはすでに役立たず、常識は次々と覆されていく。現在までの諸問題がクリアーされないまま、新しい問題がどんどんパイルされていく。加速しつづける時間。変わり行く人間性、変わり行く環境と関係性…。
３次元的・物質的世界観が揺らいでいる。これまでは哲学者や宗教家や一部の科学者のテーマであった人間の本質的問題が、いまや他人にお任せでは済まされなくなってきている。それがひとりひとりの最重要テーマとなり、それから目を背けつづける事は、発狂か死に直結する危機を十分孕んでいる。
「私はなぜ今ここにいるのだろう？」「何をしに生まれてきたのだろう？」「私とは何だろう？」「世界と私との関係はどうなっているのだろう？」「宇宙と次元とはどうなっているのだろう？」「本当は私、何がやりたいのだろう？」「私とあなたの関係は一体どうなっているのだろう？」「世界はなんでこんなに美しいのだろう？」等など。
これらのより未来につながる問いに対する答を、既製品の中から探し出せると考えるのは時代錯誤である。他者の言葉を自分に当てはめて事足りていた、愚かで幸せな時代はすでに過去のものとなっている。ひとりひとりの内側にしか答はない。その答を追求する楽しい作業を怠るのもまた自由である。自由意志を自ら放棄するという自由意志の使い方もあるのだから。
多重多次元の世界観が、やがて現代の限定された世界観と無理なくリンクするだろう。自然に無理なくか、量子的飛躍を通してかは分かっていないが、個人差があるであろう事は予測できる。そしてそれはもう始まっている。しかしこの限定された３次元世界を、苦渋に満ちたものとして観じたまま後にするのは忍びがたい。もっとこの３次元を、物質世界を、リニアルな時間を、おのれの肉体を、愚かな自分の全体を、十分楽しんでからにしよう。
２０１３のジグソーパズル(６−１)/1998
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