誰もが独自のユニークさを犠牲にすることなく、他の生命と調和して１つの輪のように生きる。
―――サージ･カヒリ･キング
 ハワイやタヒチなどを含むポリネシアには、何千年にも渡って伝えられている「フナ」と呼ばれる教えがある。このフナにはその長年に渡る叡智や芸術が伝えられており、またその実践者はカフナと呼ばれている。この太平洋地域は法律・哲学・科学・芸術などあらゆる面で複雑に発達した大変豊かな世界であったことが、近年の様々な調査によって分かってきている。仏教にしてもキリスト教にしても、誰１人として全てに目を通せないであろうほど莫大な数量の研究と資料が存在する。そして混乱の収拾への努力が、収拾の混乱を生んでいる。ところがこのフナの深い叡智はその本質を損なうことなく、わずか７つのカフナの法則としてまとめられている。
そのカフナの７つの法則（※）の１つに「ポノ」と呼ばれるものがある。それは「効果こそが真理を測る物差しである」という意味で、その内容は次のようなものである。果てしない無限の宇宙の中では絶対的な真理なぞは存在しえない。その代わり、個々の人間が意識しているレベルの世界観に限定するならば、その中で有効な真理というものは確実に存在しうる。フナではどのような知識体系や世界観でも、それを真実としてではなく便利なものとして認識している。自分が他者と共により良き現在と未来を生きるために有効なものを自由に使えばよいのである。
（※）カフナの７つの法則とは次の７つである。
（１）ＩＫＥ…世界はあなたが思っているそのものである。
（２）ＫＡＬＡ…限界は存在しない。
（３）ＭＡＫＩＡ…注意を向けたところにエネルギーは流れる。
（４）ＭＡＮＡＷＡ…今こそが力の瞬間である。
（５）ＡＬＯＨＡ…愛とは共に幸せであることである。
（６）ＭＡＮＡ…全ての力は内からやってくる。
（７）ＰＯＮＯ…効果こそが真理を測る物差しである。
ひとりよがりの王国を超えて(１６)
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