（０９２９）かけがえのない自分だけの視座

　時間とはサイクルである。時間とは機械的正確さで刻むものでは決してない。分子の振動、細胞のパルス、器官のリズム、脳波、心臓の鼓動、呼吸、サーカディアンリズム、バイオリズムなどの生命的サイクル。時間が個人の外だけ、もしくは内だけを流れているというのは幻想だ。

　他者とは全く関係ない独自のサイクルであれば、他者と共に生活する必要はない。また全体と同一のリズムのみであれば、自分が個人である必要もない。各個人が世界を見る時、一つとして全く同じ視座はない。人間同士が同じ空間を占有する事はできないからである。

　これには重要な意味がある。今世界を見ている自分は他者と交換できないし、誰とも違うかけがえのない独自の存在なのだ。だからこそ自己憐憫や他人を妬む事なく、自分の視座に自信を持って真正に世界を見る事。共有はできなくても共感はできる。肩を並べて同じ物を見るという事の意味。

２０１３のジグソーパズル(５−３)