（０９２１）数列の上にシンクロを見ると言うエゴ

　最近、数の上にシンクロニシティをよく見ると主張する人が増えている。「運転中に前を走る車のナンバーが、自分のキーナンバーの並びだった」とか、「ふと見たデジタル時計の表示が１１：１１だった」とか、「偶然会った人の電話番号が自分の住所の数字と同じだった」などなど。その不思議さに眼を向けて、自分の人生や地球の未来を考え直す事は喜ばしい。しかし少なからずの人が、その現象を自らのエゴの拡大とリンクさせがちなのは残念な事だ。

　 多くの場合そこには「自分の存在をもっと認めてほしい」という願望や、「自分は他者とは違い特別な人間なのだ」という主張が半ば無意識の内に含まれている。聞く側がそのような体験をすでに持っているのであれば、その主張は陳腐に感じられる。また全然ないのであれば、奇異な現象であるとしか受け取られないだろう。

　個人的シンクロニシティは実際のところ、他者には当人ほどのインパクトはない。しかし多くの人達はそれを優しく聞き流してくれる。 数列の上に見たシンクロを他者に語るという事は、せっかく得た自分の力を意味もなく垂れ流してしまうという事でもある。まずは自分自身の問題である。自らの無意識に注意を向ける事。それがエゴの拡大に通じるかどうか考えて、自分の内にそれを持ちこたえる事。しかる後に千載一遇の共感者と出会い、真摯な検討ができるというメタなシンクロニシティを願う。

２０１３のジグソーパズル(４−１)