19870521-1 重箱とは隅をつつくものではなく、重ねるものである。しかも横にではなく縦に。
19870521-2 初心忘るるべからず。しかして初心に囚わるるべからず。
19870529-1 最も正確な表現は無表現である。正確に伝えようとすればするほど言葉数が増し、情報エントロピーが高まって不正確度は増していく。正確を期すれば表現しないことが最上になるというパラドクス。さあ、これ自体を簡単に超えよう。
19870529-2 表現はメタファーによって為される。メタファーは表現の限界を広げる。表現にあるのは良いメタファーと悪いメタファーである。
19870529-3 常に前進する自己を見詰め続けるとは、狂気との間合いを測りながら、じりじりと正気の範囲を広げていくことである。
19870529-4 彼は決してあなたを見捨てはしない。あなたとは特定個人ではない。総ての人々だ。I
will never forsake you!
19870529-5 狂気と正気
闇の中で眠っていた。狂気との間合いを測るための大地ともいうべき正気が見当たらないため、通常の思考が有意味なのか無意味なのか分からず、相対的認識ができない恐怖を感じていた。闇の中の流れは感じられるのだが、それがいかなるものとも認識できず(認識すベき確たる自己の不在、もしくは非在）、発狂の恐怖を感じた。しかし目覚めて電気をつければ部屋の床の中に横たわっている自分が認識できるであろうという事が、半覚半睡の意識の中に安全弁的予想としてあったので、その恐怖そのものを味わう事ができた。もっともこの言動も後で思い出して言語で表現したのでこうなるのだが、その時は言語や論理は無力であり、狂気も正気もない世界だった。
吉祥寺百景（０６７）19870521〜19870529
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