wind013

＜３５＞ひそやかな宣言　19920120

かごめかごめ…
後ろの正面だあれ
…神の顔した自分自身？

精子の選ばれた１つ以外は無用となった群れのように
地下茎でつながった丘の上のタンポポの内の１本のように
たとえそれを救うことが全体から見て無意味であるとしても
それでもやはりひとつでも多くの笑顔があればいいのにと思う

浄火の時に確率的に必然の部分的死だとしても
たとえこの身がゆがみ滅びる羽目になろうとも
それでもひとりでも多くの人の正気を願うことは自然だ

それが傲慢であり、執着であり、業であり性であるとしても
それが私の生きる理由であり、自ら定めたキャラクターなのだ
だから今こそ生き延びねばならない
たとえ草の根をはみ、泥水をすすり
野に吠える狂人となろうとも

なぜ今いきているのかが分かった
少なくとも今は分かっている
音楽はしかるべきときに流れてくる
シンクロニシティは今必然である

世界が破局を迎えずに済み
空騒ぎの果てに永らえた光の中にあって
ただ私がぼろぼろになって残ったとしても
それはそれでさらに良い結果なのだということ
その世界はもはや安穏とした惰性で回る
旧きリズムではなく、美しく進化したものであろうから

消え行くものが私であったとしても
笑いながら去るだろう
狂気の海の上に渡された
細くうねった一本の道を往く愚かな旅人よ